京都市山科区「春秋山荘」~改修工事のビフォーアフター~

「京都の木の家」「注文住宅」の竹内工務店ブログです。

京都市山科区、森に囲まれた古民家「春秋山荘」の改修工事が完了しました。
「春秋山荘」は築150年の茅葺民家で、豪雪地である湖北から40年前にこの地に移築されました。

近年はあまり使われていなかった建物ですが、「春秋山荘-たけのこ山の家」として活用されることになり、
昨年10月に1期工事からスタートし、2期工事、3期工事と、少しづつリノベーション工事を進めてきました。

それぞれの工事期間の間には、展示会等の活用をされながら、無事工事を終えることが出来ました。

この山に、様々な方に親しんでもらい、これからも地域に愛される山となることを望んでおられます。
ワークショップ、ギャラリー、そして地域の幼稚園、こども園の遊び場として多目的に活用されます。

【外観:ビフォー】
外観は大きな改修工事はしていませんが、正面に濡れ縁の造作などを行いました。
茅葺屋根の趣のある建物のかたちはそのまま踏襲しています。

【外観:アフター】
建物の外部には濡れ縁を設け、ガラス窓を設置し、自然光が室内に入るようにしました。
温かな日差しが心地よく、こちらから庭を眺めることができます。

【木塀:ビフォー】
木塀は柱の根本や板部分がかなり劣化していました。
建物側にある庇も苔が生え、劣化していたのと、庇が低く使いにくい状態でした。

【木塀:アフター】
木塀は基礎から新設しました。
奥は綾目張りの塀で、手前は薪ストーブに使う薪置き場になっています。

庇は高い位置に作り直し、ガルバリウム鋼板で仕上げました。

【土間:ビフォー】
土間部分には、下駄箱とすのこを設置しました。
奥の水屋は配置を変え、薪ストーブを中心に座ってくつろげるスペースにしています。

【土間:アフター】
土間にはすのこを設置し、容量のある下駄箱を造作しました。
すのこにより建物の東西を素足で行き来できるようになりました。

梁などが見える大空間を暖めるため、薪ストーブを設置しました。
薪ストーブを囲んで座れるようにベンチも造作しています。

もとの水屋は解体し、カウンターと流しを設置しました。
カウンターは無垢サペリ材です。

【ギャラリースペース:ビフォー】
ギャラリースペースとして使用する部分は、多目的に利用がしやすいよう、囲炉裏のある大きな机は撤去し、畳の部屋は板間へと改修しました。

【ギャラリースペース:アフター】
多目的に使える空間にするため、部屋の中心にあった大きな囲炉裏付の机を撤去し、着脱可能な板で蓋をし、床板と一体化させています。

もともと畳の部屋は杉板を貼り、板間にしました。

全体的に室内が暗かったので、既存の照明に加え、スポットライトを40ヵ所ほど取り付けています。
調光、調色ができるので、使用する場面によって様々な演出ができます。

一間幅の引違い建具が入っていた部分は、
柱間に合わせ、FIXガラスと引違い建具を組み合わせた、大きな窓になりました。
写真では外部の雨戸が閉じていますが、
雨戸を開けると、外に濡れ縁があり、ガラス部分から自然光が入ります。
建具は改修前からこちらで使われていた古建具を調整して再利用し、新設建具と組み合わせて使用しています。

京都市右京区「北嵯峨の家新築工事」のブログ記事はこちらをご覧ください。
京都市山科区「春秋山荘~茅葺民家のリノベーション~」薪ストーブ設置工事

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最終更新日:2023年2月27日投稿日:2023年2月27日