京都市右京区「嵯峨の家・Y家(旧I家)改築工事」竣工しました。

京都市右京区「嵯峨の家・Y家(旧I家)改築工事」 約2年の工事を終え、昨年末にお引渡しをさせていただきました。
Y様 この度は誠におめでとうございます。

先日、お施主さまにご協力いただき、竣工写真の撮影をさせていただきました。

さて、今回は一足先に、こちらで撮影した写真でY邸竣工の様子をお伝えします。

 
【江戸時代から続く風格のある伝統民家】
江戸時代に建てられた伝統的な建築物を、当時の痕跡を残しながらの改修工事でした。
使える材はなるべく再利用し、建物を元の姿に復元をしています。
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【七つ釜戸のあるダイドコロニワ】
ゲンカンニワの戸を開けると、七つ釜戸のあるダイドコロニワがあります。
大きく架かった牛梁、大黒柱、釜戸の薪をくべた煤で濃く色づいた丸竹の天井など生活の痕跡が随所に残り、この建物の歴史を感じさせます。
珍しい七つ釜戸のあるダイドコロニワは当時の暮らしを伝える貴重な空間になっています。
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【ダイドコロ・ナカノマ・ブツマ・ザシキ】
こちらは畳敷きの間が続きます。手前からダイドコロ・ナカノマ・ブツマ・ザシキです。
ダイドコロには立派な神棚が当時のままの姿で残っています。
差鴨居には、年代の古い痕跡として槍カンナで削られた梁の削り後が、残っています。
木製建具は修復し再利用したものと、新設したものとがあります。
色を合わせて制作していますので、どちらも歴史のある建物に馴染んでいます。
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【濡れ縁】
濡れ縁部分。床板は桧材、野地には杉皮を使用しています。
南からの暖かい日差しがとても気持ちの良い空間です。
深く出た軒は雨、風から建物を守り、強い日差しを柔げます。


【食堂】
食堂には地松材で造作したテーブルが設置されましまた。
脚はロートアイアンで製作しています。
足元は掘りこたつになっていて座りやすそうです。
床材は厚み45ミリの無垢杉材の床板です。
無垢の床材は保護のため、柿渋とえごま油を塗りふき取ってた仕上げとしています。
厚みのある杉板は足に心地良く、温かみのある床になっています。
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【キッチン】
古い空間にキッチンは実用的な機能を持つ奥行きのあるアイランド型のものを新設しています。
家族で料理、カウンタースタイルで軽食等できるような広々としたデザインです。
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【風呂】
お風呂は五右衛門風呂を現代に伝える形になりました。
掛湯のための小釜も据付ています。
機能面では追い炊き、シャワーもあり、現代に合わせて使いやすくなっています。
壁は漆喰塗と腰はモザイクタイルを貼り、天井は桧貼りです。


【ジョチュウベヤ】
元女中部屋として使われた部屋は事務室として改修しました。
事務室のテーブルは、ブラックウォールナットの一枚板です。
勾配天井には割竹を木賊張りしたものを使っています。

嵯峨の家・Y家(旧I家)改修工事では、貴重な建物の再生、継承に関わる機会をいただき私たちも大変勉強になりました。
皆様にもぜひご覧いただきたい素晴らしい建物です。

2月14日(日) に予定をしていました見学会ですが、新型コロナウィルスの感染拡大に伴い京都府にも緊急事態宣言が出されたことを踏まえて、延期することになりました。
開催の日時が決まりましたら、改めてホームページでお知らせをさせていただきます。

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最終更新日:2021年2月1日投稿日:2021年2月1日