自分のお気に入りの色で作られたものには、愛着を感じることが多々あります。
住宅の外壁、内部の木部等を塗装するのは、塗装される下地の保護や美観性を与える目的があります。
又、高硬度、防汚、抗菌等の機能性の向上もあります。
それらを塗装する時には、色はもちろん、素材の由来やその他にも気にかけるべきポイントがあります。
今回は、住宅を塗装する時に知っておきたい事柄をまとめてみました。
住まいと塗装
まずは、住まいと塗装について確認します。
塗装の方法には様々なものがあるので、それぞれの特徴についてチェックしていきましょう。
木部塗装
自然の材料である木に対して塗装を行うことを木部塗装と呼びます。
木材は外気の影響で水分を吸い込んだり吐き出したりすることで湿度を調整する機能があります。
この時、木材の水分量に変化が出ることで木材自体に膨張や収縮が起こってしまいます。
木部塗装はこの影響によってひび割れが起こりやすくなり、塗装が剥がれやすい状態になります。
壁
壁には、壁紙を使う方法と内壁を塗装する方法があります。
壁紙は一部が剥がれてしまった時にも全て貼り替える必要がありますが、内壁塗装では部分的に塗り直すだけで大がかりな作業を行うことはありません。
内壁塗装に関しては、次の項目で詳細を紹介していますので、さらに詳しく知りたい方は、ぜひそちらもご覧ください。
天井の面塗装
屋内や天井の塗装には、主に水性の塗料が使われています。
有機塗料の方が乾く速度が早くて取り扱いやすいのですが、室内で有機塗料を行ってしまうと、塗料が揮発することでシックハウス症候群などの原因になってしまいます。
外部塗装
外壁を塗装する方法を外部塗装と呼びます。
使われる塗料は合成樹脂が主成分ですが、それぞれの種類によって特徴が異なります。
目的に合わせた塗料を選ぶことが重要です。
外部塗装と内部塗装に関しては、次からの項目で詳しくまとめています。
内部塗装の種類
ここからは内部塗装の種類についてご紹介します。
ベニガラ
木部の塗装によく使用されているのが、ベニガラ塗装です。
防腐・防虫効果が高いため、屋外での使用も行えます。
ホルムアルデヒドなどの成分が含まれていないため、屋内の梁や家具などにも幅広く使用できる塗料です。
漆塗装
漆は日本で古くから使用されている塗装です。
防腐・防錆・抗菌性があるため、住宅の様々な場所で使用されています。
植物性なので、シックハウス症候群の原因物質は含まれていません。
直射日光が当たる場所では、紫外線の影響で漆特有の光沢が失われやすいため、塗装場所には注意が必要です。
柿渋
柿渋は、渋柿の実をから抽出した液を原液を薄めて使用します。
防腐性、防水性や防虫性、防汚性も高く木材との相性は非常に良く、住宅の木部の塗装に良く使われます。
人体にはもちろん無害なので、環境にやさしい塗料といえます。
オイルステイン
木部専用の塗料がステイン塗料です。
木目に浸透して着色する働きがあるため、素材本来が持つ自然な仕上がりにできます。
水性と油性があり、中でも油性のものについてはオイルステインと呼ばれています。
オイルフィニッシュ
オイルフィニッシュは、植物由来のオイルが良いのですが、これらを塗布し拭き取ることでで仕上げます。
オイルフィニッシュの仕上げをすると、塗布したオイルが木材に浸透しやすくなるため耐久性が向上します。
木材が呼吸できるために、木材との相性は大変良いです。
近年では着色されたオイル塗料も販売されているため、初心者でも取り扱いしやすくなりました。
外部塗装の種類
外部塗装にも様々な種類があります。
代表的な成分について特徴をまとめてみました。
アクリル系
はっきりとした色合いが特徴です。
安価であるため、定期的に塗り替えたい時に使いやすい塗装です。
ただし、紫外線の影響を受けやすいため耐久年数が短いことに注意が必要です。
近年では使用されることが減ってきています。
ウレタン系
ウレタン系は防水性・耐水性・密着性に優れた塗装です。
安価であり様々な用途に利用されています。
塗装の一部が剥がれている時にもよく利用されます。
性能のバランスが良く、シリコンに次いで使用頻度の高い塗料です。
シリコン系
伸びが良く、小さなひび割れができても防水性や耐久性に大きな影響を受けません。
耐久性が高く、上質な素材として人気の塗料です。
防カビ性や耐用年数に信頼があるため、現在では最も使用されています。
フッ素系
耐久性・撥水性・耐候性に優れていますが、価格が高く専門的な場所に使われることが多いため、一般的にはあまり使われない素材です。
他の塗料に比べると汚れが目立ちやすいため、一般住宅では使用頻度が低いと言えるでしょう。
木と色の相性
塗料を使用する時に、気になるのが仕上がりの色合いです。
木材はそれぞれの年輪などの木目によって受ける印象が異なります。
薄茶色の木目、黄土色の木目、焦げ茶色の木目など木材ごとに代表的な色は異なります。
それぞれが持つ色を損なわないように塗料を使用することはなかなか難しいことです。
自分の子供や孫にも長く住んでほしい家であるならば、住民の好みやスタイルに合わせて塗料を塗り替えるよりも、自然の風合いがそのまま残る無塗装という方法もあります。
但し木材の素材を吟味して使用しなければなりませんが、本来の木材の持つ色合い風味、風合いを生かせるかもしれません。
場所によって色が変化するような自然をそのまま楽しめる住居で、リラックスした雰囲気の家族団らんを楽しんでみてはいかがでしょうか。
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最終更新日:2020年10月13日投稿日:2020年5月1日