住まいの建材ロスついて
住まいを新築・改修する時には、数多くの建材を使用しますが、
その時に建材ロスが発生しています。
多くの建材を使用し消費する住宅や建物こそ、使われる建材を大事にロスを少なく使っていきたいものです。
今回は、住まいにおける建材ロスについて考えてみます。
食品ロスが問題に
食品ロス(フードロス)という言葉をご存じでしょうか。
賞味期限切れ・消費期限切れになってしまったことで
まだ十分に食べられる食品が捨てられてしまう問題です。
世界で人口の増加が続いている問題が、同時に将来的に食料不足になるという問題につながります。
その中で特にフードロスに関しては、様々な取り組みが行われています。
まさに廃棄処分されようとしている食品を、
他の場所で必要とされる人達に行き渡るような仕組みが取られ始めています。
日本ではバブル時代をきっかけにして、食品だけでなくいろんな商品も
大量生産の仕組みで数多くのものが作られてきました。
そしてそれらが短命で大量に廃棄されていきました。
一生に一度の大きな買い物である住まいについても、
工業的大量生産の仕組みでつくられており、同じことがいえます。
多品種な工業製品を元に工場でつくられた住宅は多量の廃棄物を生み出しています。
工事現場でつくられている住宅にもまた多量の廃棄物が出ています。
それらの住宅の建材ロスや廃棄物を少なくすることを考えなくてななりません。
建材はどのように作られて利用されるのかを考えてみましょう。
まずは自然の木を切ることで、木材が作られます。
生えている木の場合は、様々な長さや形がありますが、
木材にする時には輸送や利用がしやすいように、ある程度整った形にされています。
その後、住宅で使われる時には、目的に合わせてさらに加工が施されます。
このように、住宅として使用されるまでの間に複数の加工が行われるために、
建材としてのロスが発生しているのです。
工場や現場での建材の端材がロスがとなり、多量の残材廃棄物やゴミの発生となります。
プラスチック問題
近年では、プラスチック問題が話題となりました。
海には人の目には見えないようなものすごく小さいプラスチック(マイクロプラスチック)があり、
それを食べたプランクトン、小魚を介して、魚類にまでプラスチックの害が及んでいるということです。
また、それを食べた私たち人間も、被害を受けるとして問題になりました。
環境汚染を防ぐということは、私たちの健康も守られるということです。
このような環境汚染については、世界各国がそれぞれ取り組んでいくべき課題と言えるでしょう。
建材のサスティナブル
サスティナブルとは、「持続可能な」方法のことです。
特に、環境問題に関して、現在から将来にいたるまで取り組みことができる方法や
生産されてから廃棄されるまでを考えることが、本当のサスティナブルだと言われています。
前述したように、フードロス問題、建材ロス問題、プラスチック問題などは、
子供や孫の世代にまで大きな影響が及ぶ可能性がある問題です。
このように将来にわたって環境に大きな負担となる問題に関しては、
現在行える単発的な方法では改善が難しくなります。
サスティナブルという無理なく継続して行える方法が求められているのです。
例えば、建材ロス問題に関しては、どのようなことが考えられるでしょうか。
住宅に使用された後に、ただ捨てられていくだけの建材は、環境の負荷が高いと言えます。
もちろん適正に廃棄処分できることが前提ですが、
建材を再加工して幅広い利用ができるようにするのも良いでしょう。
しかし、最終的にどうしても使用できなくなったものは廃棄物扱いとなってしまいます。
加工をしすぎた建材は、廃棄に関しても処分の方法や処分場の問題から手間が必要になり、
排気処理費用がかさみます。
自然にはない大きな負荷をかけて加工をして作られた建材は、
環境にとっても大きな負荷となり、廃棄処分をする時にも大きな負荷をかけ続けます。
基本的には土へ還すことのできる負荷の少ない自然な建材を利用することが、
サスティナブルな建材ロス対策と言えるのではないでしょうか。
建材ロスはどのように解決できるのか
建材ロスを防ぐためには、3R運動の徹底が重要です。
3Rとは、「出さない(Reduce)」、「再使用する(Reuse)」、「再利用する(Recycle)」という方法です。
それぞれについて、具体的にどのようなことが行われているのかを確認していきましょう。
出さない(Reduce)
建材を、あらかじめ必要としている寸法で納入することで、
無駄な廃材が発生することを防止しています。
また、本当に必要な数だけに限定して発注することで、余って捨てることを防ぎます。
納品時には、梱包材を削減することで環境負荷を少なくします。
再使用する(Reuse)
あまった建材は、パレットや枠材などへ転用できないかどうかを工夫することで、
廃棄物を削減します。
大きな建材であればあるほど、小さな部位への再使用ができないかを確認します。
再利用する(Recycle)
リサイクルに対応している材料を分別して、
現場内外で再利用を促進します。
必要時には、リサイクル施設への搬入を検討します。
このように、産業廃棄物の処理を適切に行うことで、建材ロスを防げるのです。
3Rの基本を行い、さらに自然に優しい素材や環境負荷の低い素材、そして土に還りやすい素材を住宅の素材として選ぶことが、
建材ロス問題を解決するために必要な手段となることでしょう。
まずは、これらの点を考えてゴミを少なくするために、
簡単であるエコバッグを持ち歩くことから始めてみましょう。
最終更新日:2020年10月13日投稿日:2020年2月27日