住まいのエコ建材について

住まいのエコ建材について

住まいの建材は、木材、石材、粘土、紙等、住まいの中で使われている材料のことです。
料理に置き変えて考えてみると、材料にこだわることで味が多分に変わります。
味だけではなく、身体にとってよい食材であるかどうかが重要です。
住まいの素材にこだわるのも同様です。
住まいは『第3の皮膚』と呼ばれているように、
人を外部からの自然の猛威から守る役目だけではなく、
住む人にとって肉体的にも精神的にも安定し、
健康を約束するものであり、又自律する働きを引き出すものでもあります。

そのような住まいに使われる建材を選ぶことは、
住まいづくりの中でも最も大事なことのひとつです。
人や自然、地球環境に優しく、環境負荷の低いエコ建材・住宅とはどのようなものなのでしょうか。
今回は、エコ建材について様々な情報をまとめてみました。
これから住宅の建設やリフォームを考えられている方は、ぜひご一考ください。

エコ建材とは

エコ建材は、環境負荷が少ない自然に優しい材料から作られた建材のことです。
ホルムアルデヒドなどのシックハウス症候群の原因となる物質を発しないものや、
メンテナンスや廃棄処理が簡易なもの、廃材からリサイクルして作られたものなどその種類は様々ですが、
健康的な住まいで過ごしたい方や環境負荷を軽減した生活を目指されたい方には、お勧めの建材です。

エコ建材のいろいろ

具体的に、どのようなエコ素材があるかを一部ご紹介します。

<エコ建材の代表:木材>

環境負担の少ない木材の中でも、原木から直接切り出された無垢木材は、
代表的なエコ建材として様々な場所に用いられます。
無垢材を利用した住宅は、夏は涼しく、冬は暖かいという環境調整に優れています。
木材自体が吸湿、放湿を繰りかえし、室内気候を調整する能力を持っているからです。

手や脚、肌に触れてもあたたかく人にとっても優しい建材といえます。
木材の中には有害な化学物質を含んでいないため、子供や高齢者のいる世帯でも安心して利用できます。
また燃料にもなり、木材が朽ちても土に還る建材であり、持続可能な素材であるといえます。

<エコな壁材:土壁>

昔ながらの家屋によく使用されていた土壁は、原料に土と砂と稲わらが使われています。
製造過程で加工はほとんど行われないために、非常にエコな素材であるといえます。
一度使用した土壁を、数十年後に削り取ってから新しい土に混ぜると、再び土壁として利用することもできます。
廃棄する時には、自然に分解されるため、廃棄処理にかかるエネルギーも抑えられますが、
温熱作用が弱いため、寒さを感じやすいというデメリットがあります。
とはいえ、版築等厚みを持たせた土壁はそれ自体が蓄熱体となり、
熱を集めてゆっくり放熱するという利点もあります。

<エコな壁材:漆喰壁>

漆喰は、消石灰を原料としています。
耐火性に優れており、湿度を調整する機能もあります。
ビニールクロスを貼った壁に比べると、
経年劣化が起こりにくく、表面結露もなく、メンテナンスにかかる手間もありません。
近年では、デザイン性に優れた漆喰壁も普及してきています。

<エコな床材:畳>

古くから使われている畳は、日本の住居独特の雰囲気を表現します。
素足で過ごすことの多い方は、踏み心地の良さを実感されることでしょう。
畳には、湿度を調整する機能や防虫作用もあるため、自然素材の中でも多機能な製品なのです。
大量生産で作られた畳風のボードもありますが、
無農薬や減農薬など原料にこだわったイグサを使った畳もあります。
畳の性質を十分に実感したい時には、原料にまでこだわる方が良いかもしれません。

<エコな調湿材:炭>

炭を主原料とした調湿材は、消臭作用や湿度の調整作用(吸湿、放湿)などに優れています。
床下や押し入れなどのニオイや湿度がたまりやすい場所への利用がおすすめです。

エコ建材は現在どのように活用されているか

エコ建材のなかでも身近な素材で住まいの様々な場所に活用されているものがあります。
材料のすべてもしくは一部にそれらの素材が使われています。
今までは捨てられるだけだった素材がリサイクルされ、新しい使い方をされ新しいエコ建材として使われるようになりました。

卵の殻

ただ捨てられていくばかりの卵の殻は、炭酸カルシウムという成分で作られています。
この成分を利用して作られた壁紙には、湿気を吸着して生活臭の発生を抑える働きがあります。

ホタテ

卵の殻と同様に、ホタテの成分にも炭酸カルシウムが含まれています。
漆喰壁にホタテの成分を混ぜることで、
独特の暖かみのある壁材として利用ができるようになりました。
消臭作用、調湿作用、カビ・ダニ等の予防作用が期待されており、
健康的な空間作りに活用されています。

シラス

火山灰を原料にしたシラスは、
複雑な形状をしているために天然資源の中でも注目されている物質です。
壁材として利用することで、調湿作用やシックハウス症候群の対策に用いられます。
また、通気性も良くなるために結露防止にも期待できます。

エコ建材の今後

エコ素材は、今後ますますその活用の範囲が広がっていくことでしょう。
人や環境に優しいだけではなく、
複雑な製造・廃棄・建設工程さえも簡略化できるようなエコ素材であれば、
個人の住宅ばかりではなく、大型施設や大型建物などに対する利用も活発に行われていくことでしょう。

住む人の健康や周りとの調和を考慮し、また、環境のことを考え生活をしていくうえで、
まずは厳選されたエコ建材で作られた住まいづくりを考えられてはいかがでしょうか。

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最終更新日:2020年10月13日投稿日:2020年2月13日