瓦の歴史、由来
瓦の名前の由来は色々な説があります。
「中国の象形文字から来ている」「サンスクリットのカハラが転化した」「亀の甲」などです。
現在でも瓦の名前の由来は明らかになっていないというのが本当のところです。
そんな日本においての瓦の歴史は飛鳥時代まで遡ります。
飛鳥の法興寺の屋根に瓦が葺かれたことが文献に残されています。
これが中国のものであることから瓦は中国が発祥ではないかと言われています。
現存している日本最古の瓦も飛鳥時代のもので、元興寺に葺かれています。
飛鳥時代には寺院だけに瓦が用いられていました。
瓦の種類、産地
日本において現在瓦の主な産地となっているのが「愛知県」「島根県石見地方」「兵庫県淡路島」です。
愛知県は「三州瓦」、島根県石見地方は「石州瓦」、兵庫県淡路島は「淡路瓦」と名前がついています。
ほかの地域でも生産されていますが、この3つは「日本三大瓦」と言われています。
そんな瓦には幾つか種類があります。
- 陶器瓦
粘土でかたどり、うわ薬をかけてから高温で焼き上げたもの - いぶし瓦
粘土でかたどり、焼いてから蒸し焼きにした後に表面を塗装して仕上げたもの - スレート瓦
スレート瓦には天然のものもあります。
人工のものは、セメントと繊維性のものを原料にして表面を塗装して仕上げられています。 - セメント瓦
その名のとおり、セメントと砂を原料としています。
表面を塗装して完成させたものです。 - その他
金属を原料としたものや、木の皮や石など天然のものを原料としたものがあります。
瓦の特徴
日本で造られている瓦は「日本瓦」と呼ばれています。
日本瓦は、日本の気候に合ったものとなっています。
その特徴は主に3つです。
- 強度に優れている
日本瓦は高温で焼かれて造りあげられているため強度に優れています。
多少の衝撃で破損することはありません。 - 耐久性に優れている
日本瓦の耐久年数は一般的に100年以上だと言われています。
日本は台風や地震など自然災害の多い国です。
そういった事がなければ悠に100年以上の耐久性があるものです。 - メンテナンスが不必要
葺いてから何年も経ったときには締めなおしてもらう必要はあるかもしれません。
しかし基本的に日本瓦は再塗装などのメンテナンスはほとんど必要ありません。
瓦は、特に優れた素材の屋根材であり、日本の原風景になくてはならないでもあります。
瓦ミュージアム(近江八幡瓦ミュージアム)
滋賀県近江八幡市にある「近江八幡かわらミュージアム」は、10棟の建物全体が展示物とも言える瓦尽くしの建物になっています。
主に「八幡瓦」が展示してあります。
八幡瓦の歴史は1585年にまで遡ります。
1585年に築城した八幡山城に瓦を葺いたことが始まりだったと伝えられていますが、本当のところは明確にはなっていません。
滋賀県近江八幡市も瓦の生産地であり、その技術と知恵を後世に伝えるため、そして町造りの拠点として生かして行くためにこのミュージアムを建設しました。
歴史ある八幡瓦を十分知ることができるミュージアムとなっているので、是非一度訪れてみてはいかがでしょうか。
最終更新日:2020年10月13日投稿日:2018年3月1日