住まいとタイル
タイルの歴史と特徴
「タイル」には、長い歴史があります。
最古のタイルは紀元前27世紀まで遡ります。
誰もが知っているあのピラミッドの中に青釉(あおゆう)のタイルが使用されています。
タイル制作の技術がそんなに昔からあったなんて驚きではありませんか。
しかし日本へ伝わったのはそれから随分後の6世紀ごろです。
仏教と共に中国から伝わって来たことから、当時は寺院などで装飾用として使われていました。
その頃はタイルとの名称ではありませんでしたが、明治時代に入り輸入タイルが諸外国から入ってきたことから、日本国内でも生産されるようになり「タイル」と呼ばれるようになりました。
タイルの種類は
タイルにはさまざまな大きさ、形など種類があります。
カラーバリエーションが豊富なため、さまざまな用途で使用されています。
タイルの性質は焼成温度によって変わります。
タイルの種類は主に「磁器タイル」「せっ質タイル」「陶器タイル」に分けることができます。
磁器タイルは叩くと「カンカン」と金属のような音がします。
非常に硬く、耐水性に優れていることから外壁や床などに用いられています。
せっ質タイルはそこそこの硬さがあるのですが、膨張する性質があるため外壁などに向いていません。
陶器タイルは、鮮やかな発色をすることができるため、室内の壁などに用いられています。
よく耳にする「モザイクタイル」とは、表面積が50平方cm以下の小型の磁器質タイルを指しています。
タイルの使われ方
タイルは住まいの中でさまざまな用途に利用されています。
ここでは代表的なタイルの使われ方を紹介していきます。
- 外壁
家の外壁に用いられているのが「外壁タイル」です。
劣化、変色、変質がしにくいため美しさをいつまでも保つことができます。 - キッチン・浴室・洗面所の水回りの壁や床
タイルは耐水性に優れていることから、キッチンや浴室、洗面所などの水回りによく使われています。
手入れがしやすく、ちょっとした汚れなら水拭きで簡単に落とすことができます。 - リビングや居間の壁
タイルはさまざまなカラーやデザインがあるため、複数の色や模様を組み合わせればデザイン性のある壁が完成します。
そのため、リビングや居間などの壁に使われることもあります。
タイルミュージアム
実用的なタイルだけでなく、アートにもなるとても美しいものもたくさんあります。
そんな美しい「装飾タイル」を展示しているのが「INAXライブミュージアム」の中にある「INAXタイルミュージアム」です。
「世界のタイル博物館」には、紀元前から近代までのタイルコレクション約1,000点が展示されています。
装飾タイルの歴史を紹介している日本で唯一のタイル博物館となっています。
幻想的で美しいその世界を見れば、タイルの素晴らしさを感じることができると思います。
世界各国の美しいタイルはまさに「宝石」のようです。
(2016年、新しく多治見市モザイクタイルミュージアムが、藤森照信氏のデザインで完成しました。)
最終更新日:2020年10月13日投稿日:2018年2月21日