京都の町並みの中には、木造建築で造られた民家や町家が今も大切に受け継がれているのをみうけます。
そのような美しい景観の中で暮らすなら、外観のデザインだけでなく、家の骨組みを支える構造材にこだわることも大切です。
昔から日本の木造建築を支えてきたのは、大工の手仕事による「手刻み加工」です。
ここでは手刻み加工の魅力と、竹内工務店が大切にしているこだわりをご紹介します。
●手刻み加工とは
竹内工務店では日本の伝統技術を大切にし、次世代へと受け継いでいく住まいづくりを大切にしています。
その中でも職人の手仕事によって丁寧に仕上げる「手刻み加工」は見た目の美しさだけでなく、安心して長く住み継げる家づくりに欠かせない技術です。
それでは、手刻み加工の魅力や現代の住まいにおける価値についてご紹介します。
・伝統的な技術である手刻み加工
「手刻み加工」とは、大工が手作業で墨付けをしてノミやノコギリなどの道具を使って木材を加工する伝統技術です。
一つひとつの材の木の性(しょう)を見極めながら加工することで、木の特性を最大限に活かせるようになり強度や耐久性に優れた家づくりが可能です。
とくに仕口や継手といった接合部分では、釘や金物をほとんど使わずに木を組み上げていくという特徴があります。
職人の技によってしっかりと組まれた構造は、長い年月を経ても安定した強度を保ち安心して暮らせる住まいを実現しています。
・手刻み加工の魅力と造作材の加工
手刻み加工は家の骨組みだけでなく、仕上げの細かな部分にも活かされています。
たとえば、室内の柱や建具に使われる「造作材」は職人が手仕事で鉋で仕上げることで、繊細な美しさが際立ちます。
さらに「超仕上げ加工」を施すことで木の表面は滑らかに仕上がり、塗装しなくても木の滑らかな肌触りと美しさを楽しめるのです。
・現代における手刻み加工の価値
現在の住宅建築では工場で機械を使って木材をあらかじめ加工する「プレカット加工」が主流になっています。
プレカット加工は、施工の効率化や精度の安定といった面で大きなメリットがあります。
しかし、機械による加工は画一的になりやすく木材ごとの個性や細やかな調整が難しい場合もあるのです。
手刻み加工の場合には職人が個々の木材を見極めながら加工します。
木の温もりや風合いを活かした加工により、プレカット加工に比べて柔軟で味わい深い仕上がりになるのです。
手刻み加工で仕上げた住まいは手仕事ならではの丁寧な仕上がりで、住むほどに味わいが増し続けることでしょう。
●手刻み加工とプレカット加工の住まいづくりへの活用
・伝統を受け継ぐ「手刻み加工」による家づくり
伝統的な日本の家づくりでは近くの山から切り出した木材を使って、大工が手作業で墨付けをしてからノミやノコギリを使って加工していました。
この「手刻み加工」によって、木材それぞれの特性を見極めながらしっかりとした骨組みが組み上げられていたのです。
木の癖や強さを活かしながら作られた住まいは、見た目の美しさだけでなく長く安心して住み続けられる丈夫な構造を持ち、年月とともに味わいが深まります。
・プレカット加工と手刻み加工の違い
現代の家づくりでは工場で木材をあらかじめ機械で加工する「プレカット加工」が主流になっています。
プレカット加工は寸法や形が揃いやすく、工期も早く、安定した品質で家を建築できる点が特徴です。
しかし、「手刻み加工」は職人が一本ごとに木の特徴を見極めながら手作業で仕上げており、木の個性や癖を細かく活かせる魅力があります。
木材ごとに特性を引き出せるため、自然素材の風合いを活用したしなやかで丈夫な骨組みが作られます。
プレカット加工の効率性を活かしつつ必要な部分に手刻み加工を用いることで、木の良さを最大限に引き出し温もりのある住まいに仕上げられるのです。
●手刻み加工のメリットとデメリット
伝統的な手刻み加工にはたくさんの魅力があります。
しかし手刻み加工を住まいに活用しようとすると、どうしても手間がかかりコストも高くなりがちです。
ここでは、手刻み加工を使うメリットと、知っておくべきデメリットについて詳しくご紹介します。
・手刻み加工のメリット
手刻み加工の最大の魅力は、木材ごとの特徴を活かしながら丈夫で美しい家づくりができることです。
職人が素材の吟味をしながら加工するため、木材ごとに最適な仕上がりになり、強度や耐久性に優れた構造に仕上がります。
釘や金物をなるべく使わずに昔ながらの「仕口」や「継手」と呼ばれる方法で木材を組み合わせるため、修繕がしやすいのも特徴です。
さらに、表面を丁寧に仕上げることで木材本来の美しさが際立ち、塗装しなくても温かみのある仕上がりとなります。
必要最小限の加工で済むため、加工によるロスが少なく環境にもやさしい家づくりにつながります。
・手刻み加工のデメリット
手刻み加工は手作業だけですべてを加工するため、機械を使ったプレカット加工に比べるとどうしても施工期間が長くなってしまいます。
また、熟練の大工が丁寧に作業するため、コストは高くなる傾向があります。
さらに高度な技術が必要なことから、手刻み加工を担える職人が限られており今後も技術を受け継いでいくことが大切な課題となっているのです。
●手刻み加工技術の継承と竹内工務店の取り組み
日本の大工技術を次世代へ受け継ぐことを目的に、「手刻み同好会」が2018年に発足しました。
近年、竹内工務店もこの活動に参加し、手刻み加工の魅力や価値を広める取り組みに取り組んでいます。
ここでは手刻み同好会の活動内容と、竹内工務店の取り組みについてご紹介します。
・次世代に伝える伝統技術「手刻み同好会」の活動
大工不足や職人の高齢化が進む現代において、伝統技術である手刻み加工を未来へ受け継いでいくことは、建築業界全体の大きな課題です。
手刻み同好会では、以下のような活動を通じて手刻み加工の魅力や価値を発信し続けています。
<手刻み同好会の活動内容>
・木構造実験とその解説を通じて、手刻み加工の強度や美しさを可視化
・各地の工務店や職人との交流会、完成建物の見学会
・軸組模型や板図を使ったワークショップや勉強会
・若手職人の育成の場となる建て方ライブイベント
・将来的な職人不足に備えた「手刻み大工預かり登録システム」の検討
こうした取り組みを通して、伝統を守るだけでなく時代に合った形で発信し、次代を担う職人たちの育成にも力を注いでいます。
・竹内工務店が大切にする手仕事の家づくり
竹内工務店ではすべての構造材を手刻み加工で仕上げているわけではありません。
しかし効率だけを優先せず、大切な部分では職人の手仕事を積極的に活用しています。
それは、木の性質や個々の違いを見極め、より丈夫で美しい住まいを実現するためです。
また社内外を問わず若手大工の育成にも注力し、手刻み加工の技術と精神を次世代へつないでいくことも、私たちの大切な使命だと考えています。
・暮らしの中に受け継がれる日本の技
竹内工務店の家づくりは、「伝統は守るだけでなく、活かすもの」という考えに基づいています。
京都の風景に馴染む佇まいを大切にしながら、職人の手仕事が活かされる住まいを提供しています。
今後も弊社では、さらに手刻み加工の機会を増やしながら伝統の技が、次の世代へと自然に受け継がれていくような住まいづくりに貢献していきたいと考えています。
最終更新日:2025年4月4日投稿日:2025年4月4日