京の山と樹木
京の三山(西山、北山、東山)京都は林産地
京都は三方を山に囲まれた盆地です。
西山、北山、東山と三方を山に囲まれた地形です。
西側にあるのが「西山連峰」と呼ばれる山々です。
西山連峰を代表するのが「愛宕山」「嵐山」「天王山」などです。
北側にあるのが北山連峰です。
北山を代表するのが京都府の木として指定されている「北山杉」です。
金閣寺や大徳寺など数々の歴史的建造物にも使われてきた歴史のある北山杉。
北山連峰には京都府最高峰の山「皆子山」など高い山々が連なっています。
そして東側にあるのが東山連峰です。
東山は寺院仏閣との関わりのある山々があります。
その代表格となるのが「比叡山延暦寺」のある「比叡山」です。
このように京都は三方を山々で囲まれた地形の林産地なのです。
京都の森林率は74%(隣の大阪府は31%、滋賀県は51%、奈良は77%)地形の1/3以上が山の林産地なのです。
京の山と樹木の構成と建築用材
京の山は桜や紅葉、赤松、杉、桧などさまざまな樹種で構成されています。
実は京の山の人工林の多くが杉や桧の人工林となっていますが、年々減少傾向にあります。
これら人工林の杉や桧は主に建築用材として用いられています。
一方、京都の天然林はほとんどが竹林となっています。
京の市街地周辺の三山は、昔は薪炭用や農業用の用材を、市街地近郊の山は木炭の製造の用材を供給し
中川地区は北山杉、京北地区は平安時代より都のご杣御料地として建築の用材を供給していました。
「北山杉」「北山丸太」は京都府の木として指定されており、建築用材として歴史ある木材です。
建築用材としての北山杉や台杉
京の山にはさまざまな樹木が育っていますが、その中で最も有名なのが「北山杉(北山台杉)」です。
また北山台杉は、北山の土壌や寒暖の差の大きい気候等、育つ環境が厳しいため生命力も強く年輪も細かく詰まり
表面も白く美しいまま保たれます。
その性質を活かし、北山台杉は庭園造りにも多く使用されています。
北山台杉は室町時代に作られ始めたと言われており、これを加工して作られた北山丸太は数々の茶室に使われてきました。
建築用材として600年以上もの歴史ある北山台杉は材質が緻密であり、木肌が滑らかで割れが生じにくい特徴があります。
和風建築はもちろんのこと、洋風建築にも取り入れられており、その優雅な姿はまさに京のブランド杉に相応しいものです。
京の山の木が住まいに使われるまで
京の山の木が材木として住まいに使えるほどに育つには、40~50年以上の年月がかかります。
一般的には山の樹木の伐採は良くないことだと言われていますが、これは間違いです。
適齢木(50年以上の材)は、若齢木と比べると二酸化炭素の吸収が低くそれゆえに適齢木を伐採しないでそのまま放置すると二酸化炭素の吸収が低下し、酸素の放出も低下します。
それゆえ適齢木は適切な伐採をしなければなりません。
適齢木を伐採し、その後に新たに植林をするという山の循環を適正に行なわないといけません。
現在の山の大部分を占める適齢木を今使わないと、新たな植林ができないため数十年後には山に使える材がなくなることが懸念されます。
今植林をするには、適齢木の木を建築用材として使われなくてはなりません。
京都府は、地元産材を使った「京都の木で作る家づくり」を推進しています。
京都市は「木の文化を大切にするまち・京都」を推進しており、京都の山と都市、地域産材を使うよう取り組んでいます。
京都で育った木を周辺地域の住まいづくりに利用して、環境保護と京都の文化継承を共に推進してゆきましょう。
最終更新日:2020年11月2日投稿日:2020年11月3日