畳の歴史
畳は日本で誕生したものであり、日本の風土に合った敷物として親しまれています。
日本最古の歴史書「古事記(712年)」には既に皮畳や菅畳の記述が残されています。
当時の「畳」とは敷物を意味しています。
現在残されている畳で最も古いものが奈良時代のものです。
奈良の東大寺にある正倉院に残されており、当時は聖武天皇がベッドとして使っていたそうです。
時代とともに変化していった畳ですが、当初寺院において木の床の上に畳が一部敷かれて、その畳は移動して使われていました。
畳が一般庶民の住まいに使われ始めたのが江戸時代中期以降のことです。
現在は畳を使う和室が減っていますが、日本伝統の「敷物」としてこれからも畳が姿を消すことはないでしょう。
畳の種類
畳にはさまざまな種類があるのをご存知でしょうか。
今回は畳の種類について説明していきます。
- 縁付き畳
- 昔ながらの畳が「縁付き畳」です。
畳縁は柄や色など好みのものを選ぶことが可能です。 - 縁無し畳
- 一般的に琉球畳と言われているのが「縁無し畳」です。
洋間にも適したデザインのため人気が高まっています。 - 床畳
- 一般的には上記3つが畳の種類です。
しかし、最近では以下のような畳も作られています。 - 和紙畳
- 素材に和紙を用いているのが「和紙畳」です。
い草で作る畳のように変色がほとんど見られません。
撥水加工がしてあるので、汚れにくい特徴を持っています。 - カラー畳
- 天然のい草を染めています。
青や赤、黄色、藤色などさまざまな色合いが綺麗です。 - 黄金畳
- 天然のい草を黄金色に変色させてから織り上げたものです。
畳の寸法
畳はどれも同じ寸法だと思っている方は多いのですが、実は地方によって寸法に違いがあります。
これらは柱割りの寸法からきているもので地方によりモジュールが違うことにより畳の寸法が違ってきています。
- 京間・本間<京都、大阪などの関西地方>
191cm×95.5cm(6尺3寸x3尺1寸5分) - 中京間<岐阜、名古屋といった中京地方と東北地方、沖縄の一部地方>
182cm×91cm(6尺x3尺) - 六一間<広島、岡山、山口など>
185cm×92.5cm(6尺1寸x3尺5分) - 江戸間<関東地方>
176cm×88cm(5尺8寸x2尺9寸) - 団地間<アパート、マンション>
170cm×85cm(5尺6寸x2尺8寸)
このように、地方によって畳の寸法は違いますが、どの畳も2:1のサイズとなっています。
ちなみに、琉球畳は880cm×880cmの正方形であり、半畳となっています。
畳の使い方(使われ方)
畳というと和室とのイメージがありますが、最近では洋間やリビングなどにも使われています。
リビングの一角に畳を敷いて寛げる空間を作ることで、和洋モダンな雰囲気になります。
和室の縁側に敷いたり、廊下に敷くこともできます。
最近の畳はオシャレなものが多いので、ちょっとした空間に畳を採用することで一味違った雰囲気になります。
また、畳をベッド代わりに使っている方もいらっしゃいます。
日本の風土に合った畳の良さを再認識して、住宅に身近に使うことで生活をより快適にすることができるでしょう。
最終更新日:2020年10月13日投稿日:2017年9月29日