現在のウッドショックについて

現在のコロナ禍の中で、日本の建設業界、住宅業界はもう一つ大変な問題が起きています。

それがWOOD SHOCK(ウッドショック)と言われる輸入木材の供給不足・欠乏です。

昭和46年に起こったオイルショックを彷彿させるような出来事です。

この時は、ガソリン不足に始まり、紙やトイレットぺーバー等の生活用品、そして石油二次製品(パイプ類や、セメント、生コンに至るまで多くの建築向け二次製品が)が不足し市場に出回らなくなり、欠品しそれらの値段がのきなみ上がり住宅の価格が上がり、あらゆる現場の工事の遅延につながり、引き渡しが遅れるという緊急な状況に陥りました。

このような状態に近いウッドショックと言われている事が、現在起きている状況です。

その状況とは、輸入材の北米材(米松等)北欧材(ホワイトウッド等)等が入ってこなくなっている状況です。

主に米松材等は、住宅の梁等の材として使われています。

ホワイトウッドなどは、集成材(柱、梁)のラミナー材として又、間柱等の羽柄材として使われています。

それぞれ今迄は、価格が少し安い、安定供給されている、材の品質の均一化(安定)等の理由により、多く使われていました。

それらが、米国や中国の景気が良い(住宅建設が旺盛)という理由で、今までと違った動きとして日本に入ってこなくなっている事柄が、今回の主な理由と状況だといわれています。

では、それらを国産材に置き換えるチャンスにできないかと私たち(国産材を使う活動をし
ている人たち)は思うわけですが、事はそう簡単ではなく、一時的にしろそれらの代替品としての国産材への代替えはできるのですが、山主からの木材の供給が少ない現在(山の立木の値段が安すぎて、伐採をして市場に出すだけの利益が出てこないという本質的な理由で)
原木市場に材が一定量しか出てきていません。

それらが、供給不足に追い打ちをかけているのが現在の状況です。
又、木材のみでなく木材の二次製品(ベニヤ、新建材)などの値上げも相次いでいます。

これらの状況は仕方がないとはいえ、理由のみあたらない便乗値上げについては許せません。

住宅業界の中では、これらの問題で材の供給が出来ずに、失注したとか、工期が読めないとか、工事が請けられない等かなり深刻なニュースが入ってきています。

住宅の建設を業務としている私たちでも一番困るのが、やはり工期の遅延と価格上昇です。

不動産価格が少し落ち着いてきたところなので消費者の方にとっては、よい状況かと思われたのが、一変してきています。

生コンの値段もここ数年で1.5倍くらいに価格が上昇していることもありますし、
まだ、製品の価格の上昇の問題は否めません。

これらの状況が、いつまで続くかはわかりませんが、あまりに過剰な反応をすることなく、
少し時期を置けば、問題は解決するのではと思いますが、それがいつかは解りません。

但し、木材についてはやはり国産材の流通を円滑に活発にする必要があります。

それには、もう少し立木の値段を高くして山主に還元できるような仕組みをつくり、伐採だけではなく、新たに植林して造林をしなければ、森林国としての日本を次世代に引き継ぐことはできません。

今のこのウッド・ショックを新たに国産材復活のチャンスと捉え、流れを替えなくてはならないと思います。

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最終更新日:2021年5月28日投稿日:2021年5月12日