平素は格別のお引き立てをいただき厚くお礼申し上げます。
誠に勝手ながら下記日程を夏季休業とさせていただきます。
■夏季休業期間
令和6年8/10(土)8/11(日)8/12(月)・ 8/14(水)~8/18(日)
休業期間中にいただきましたお問い合わせにつきましては、営業開始日以降に順次ご連絡させていただきます。
皆様には大変ご不便をおかけ致します。何卒宜しくお願い申し上げます。
先日東京の出張の折、かねてから一度訪れてみたいと思っていた東京都小金井市にある「江戸東京たてもの園」に行ってきました。
ここには、東京(江戸)で建てられて使用されていたさまざまな伝統的な建築物が移築をされていて、当時の人々の暮らしや生活様式、建築技術などを観ることができます。
古建築は、日本の歴史上・往時の生活や地域の風土や固有の文化を感じることのできる場所です。
全国各地には、こうした建築を移築して見学できる場所がいくつかあります。
これらの野外博物館では、古建築を移設・保管・展示するなどの方法によって、時代を超えて私たちに当時の歴史や文化を伝えてくれます。
・北海道の「開拓の村」
1983年に開村した北海道札幌市にある「開拓の村」は、明治から昭和初期にかけて建築された北海道各地の建造物が移築・復元・再現されています。
村内は4つのグループに分かれており、ニシン漁で栄えた浜の賑わいが感じられる「漁村郡」、北海道独特の建造物や移住者の建築様式が垣間見られる「農村郡」、豊かな森林資源と造材・薪炭製造関連の施設が再現されている「山村郡」、官庁街や商店街、住宅街、職人街などから構成されている「市街地郡」などグループごとに見どころがあります。
・宮城県の「みちのく杜の湖畔公園」
宮城県柴田郡にある「みちのく杜の湖畔公園」には、東北6県の特徴ある古民家が移築されたふるさと村のエリアがあります。
たとえば「鳴瀬川河畔の家」では、養蚕をしていた中二階式養蚕家屋が特徴的です。
また「南会津の家」では除雪の手間を減らす工夫が施された馬屋中門造りが目を引くことでしょう。
「遠野の家」は、馬の生産と住まいが密接に繋がった南部曲り屋で最大7頭の飼育が可能でした。
一見するとどれも似たような古い茅葺きの民家ですが、それぞれに当時の文化や暮らしの知恵が詰まっているのです。
・愛知県の「博物館明治村」
愛知県犬山市にある「博物館明治村」は、明治建築を保存展示する野外博物館として昭和40年に開村されました。
取り壊される予定だった建築物を移築・復原しており、国の重要文化財や愛知県の有形文化財として指定・登録されています。
先代の帝国ホテル(フランク・ロイド・ライト設計)の玄関ファサード・ロビー部分が移築・展示されています。
ここでは、ただ建物だけを公開するのではなく、建物に関連する歴史的な資料の展示も行われています。
・東京都の「江戸東京たてもの園」
1993年に東京都江戸東京博物館の分館として開設された「江戸東京たてもの園」は、東京にある歴史的建造物を移築して復元・保存・展示しています。
都内に建築されていた江戸時代から昭和までの幅広い建築物を展示しており、内部には生活民族資料も展示しています。
さらには旧武蔵野郷土館から引き継いだ資料や復元建造物なども展示しており、定期的に特別展が開催されています。
私たちはこのような博物館を利用することで、歴史的な建築物を知るとともに、当時の生活や歴史的な背景にまで思いをはせることができます。
参考URL
・「博物館明治村 明治村について」 https://www.meijimura.com/about/
・「江戸東京たてもの園」 https://www.tatemonoen.jp/
・「江戸東京たてもの園 全国文化財集落施設協議会」 https://www.tatemonoen.jp/shuraku.php
・「北海道開拓の村」 https://www.kaitaku.or.jp/
・「みちのく杜の湖畔公園」 https://michinoku-park.info/kominka/
「江戸東京たてもの園」には、さまざまな見どころがあります。
たとえば数多くの建築群です。
そこでは、古民家、商店建築、個人邸宅、洋館、銭湯、旅籠、交番等、和館・洋館の30棟の建物が移築され見学できます。
・古民家(農家)
古民家は伝統的な木造家屋です。
旧武蔵野郷土館に収集されていたような農家型古民家(天明家)と綱島家が移築されています。
茅葺き屋根や土壁、広い土間などが特徴的で、当時の農村生活の様子がうかがえます。
・商店建築
商店建築は、主に昭和初期の商店街で見られた建物です。
店舗部分と居住部分が一体となっている構造で、当時の商業活動や町の賑わいを感じられます。
出桁造りの建物が特徴的な小寺醤油店や、看板建築の武居三省堂などがあります。
後、写真館、和傘屋、酒屋、居酒屋、荒物屋、乾物屋等の往時の庶民の生活が垣間見れる建物が数多く通りに建っています。
・個人邸宅
個人邸宅は裕福な家庭の住まいとしての建物です。
大正から昭和初期にかけてのものが多く、豪華な装飾や広い庭園が特徴的です。
東京都指定有形文化財の小出邸(建築家・堀口捨巳設計)や三井八郎右衛門邸や、吟味された部材から造られた西川家別邸などがあります。
後、当時の田園都市型住宅の走りの田園調布の家があります。
・洋館
洋館は明治以降の西洋文化の影響を受けており、異国情緒が漂う雰囲気の建物です。
洋風のデザインや建築技術を取り入れており、モダンで洗練された雰囲気を持っています。
ドイツ人の建築家により平屋建ての洋館から3階建てに増築されたデ・ラランデ邸があります。
・銭湯
銭湯はかつての公衆浴場で、共同体の交流の場としての役割を持っていました。
伝統的な浴場の構造や装飾が再現されており、昭和の庶民文化を感じることができます。
大型の唐破風や、七福神の彫刻、折上格天井などの贅をつくした造りの子宝湯があります。
・旅籠
旅籠は、江戸時代の宿場町に見られる宿泊施設で、旅行者の休息の場としての機能を果たしていました。
簡素ながらも温かみのある建物で、旅人たちの憩いの場として愛されていました。
青梅街道沿いにあった旅館として1950年頃の室内を復元した万徳旅館があります。
参考URL
・「江戸東京たてもの園 復元建造物の紹介」 https://www.tatemonoen.jp/restore/intro/
ここには、建築を業としている人達の聖地と言われている前川國男邸(東京都指定有形文化財)が移築されています。
前川國男は、日本の近代建築に大きな影響を与えた建築家であり、彼の自邸はその代表作の一つです。
1941年に太平洋戦争が勃発後、1942年に建てられた住宅は戦時体制下に建築資材の入手が難しい時期に竣工されました。
妻入りの切妻の大屋根と大きな窓、縦板張りの壁、正面のファサードには中央にシンボリックな丸柱が建てられています。
伝統的な和風のスタイルではありますが、大胆に配置された幾何学的な格子窓や灯り障子などは、まさにモダニズムの旗手と呼ばれている前川國男らしいモダニズムの造形です。
室内に一歩足を踏み入れると、最大の見どころであるリビングの豊かな空間を実感できることでしょう。
物資が不足していたとは思えないほど広々とした空間の二層吹き抜けのリビングが迎えてくれます。
また南側の壁は丸ごと窓になっているため、自然の光が室内に入り込みやすい開放感のある明るい空間に仕上がっています。
ガラス以外の部分はすべて木材で造られており、昭和初期の建築でありながらもモダンなデザインとなっています。
高窓の下部にある障子、壁に配された地袋など、モダニズムの中にも和の要素が見られるのも特徴的です。
この自邸はモダンなデザインと機能性を兼ね備えており、日本特有の木造モダニズム建築として大変貴重なものです。
室内にあるインテリアは、「江戸たてもの園」がオリジナルをもとにして復元しました。
細部までこだわりが感じられる自邸には、彼の美意識と当時の技術の高さがうかがえます。
参考URL
・「江戸東京たてもの園 前川國男邸」 https://www.tatemonoen.jp/restore/intro/west.php#w06
・「キナリノ 見学できちゃう!木造モダニズムの傑作。建築家「前川國男」の自邸」 https://kinarino.jp/cat8/15734
これらの建築物が次世代にも継承されていくことを願いつつ、「江戸東京たてもの園」に足を運ばれてその魅力を堪能してみられてはいかがでしょうか。
「京都の木の家」「注文住宅」の竹内工務店ブログです。
京都市中京区で「T邸新築工事」の現場です。
先月に無事上棟し、現場では木工事が進んでいます。
京都の街中、路地奥の旗竿地での計画で、1階が店舗で2階が住居という店舗兼用住宅です。
クレーンが使用できない敷地なので、
建て方は、構造材の搬入から全て人力で行いました。
初日の土台伏せから始まり、3日間で上棟することが出来ました。
T様この度は誠におめでとうございます
総二階で、平入り切妻屋根のシンプルなカタチが構造から分かります。
屋根面の登り梁の部分ですが、二階の南側に大きな外部のバルコニーがあり、その部分の雨除けの瓦屋根のハネだしが長いため、
それを支える登り梁を補強する桔木(ハネギ)と呼ばれる補強梁が入っています。
屋根の四角く空いた部分は、自然光を取り入れるための天窓が入ります。
建物内部、こちらは1階の店舗部分です。
これからアールの間仕切り壁が付き、床はレンガで仕上げます。
二階は住居空間です。
中心に主室、両サイドにキッチンと水周り空間が配置された、ワンフロアで生活が出来るプランになっています。
主室の南側のバルコニーです。
間口約4.8m、奥行き1.3mと、ゆとりのある寸法になっています。
床の仕上げはデッキになります。
工事用の仮設階段を上がった部分です。
階段の袖壁と外壁に沿って造作キッチンが入ります。
主室の奥に、水周り空間がきます。
家事室とウォークインクローゼットも併設されます。
こちらは店舗で使用するカウンター材です。
仕上がりが厚み8.5cm 幅75cm 長さ5mのカウンターになりますので、
加工前は厚み9cm 幅90cm 長さ6m以上の物が必要となります。(現物は7m)
樹種はアフリカ原種のマメ科の「タリ」で、T邸のために探して見つけて購入してきました。
これから大工さんが加工し、現場に取り付けます。
カウンター制作前に、先端部の形状と仕上げの塗装(ウレタン塗装とガラス塗装)は見本を作り検討をしています。
設計は堀部安嗣建築設計事務所さんです。
現場ブログはこちらをご覧ください。
京都市中京区「T邸新築工事」~工事が始まりました~
関連コラムはこちらをご参照ください
木の家の無垢材の使われ方
小さくて上質な家で豊かな暮らしを育む家
「京都の木の家」「注文住宅」の竹内工務店ブログです。
京都市左京区岩倉で「Y邸新築工事」が進行中です。
樹木が生い茂り、木々の息吹を感じるロケーションで建築中の建物です。
瓦工事も進み、平入り切妻屋根の部分が施工されてカタチになってきました。
瓦屋根が出来上がると建物の全体像がより鮮明に表れてきました。
1階のボリュームに比べて2階は小さく低く抑えられた綺麗なプロポーションの建物です。
Y邸の瓦は三州瓦です。
三州瓦は高温で焼かれているために堅さがあり、凍てに強いという特徴があります。
日本瓦独特の輝きをもつ銀色の「いぶし瓦」を今回使用します。
瓦のサイズは53判(1坪辺り53枚使用する大きさ)で、切落という、角がシャープなタイプの瓦です。
そのため陰影がはっきりして屋根に重厚感を感じさせるのが特徴です。
切落は古くから、社寺仏閣に使われています。
梅雨時期の施工ですので、あらかじめ地瓦(棟、袖、軒先以外)を施工してから、
軒先の一文字瓦を含む取合い部分は、天気の様子を見ながら、施工を進めています。
今回使用する瓦は一文字瓦です。
軒先をシャープに見せるために平入の京町家では、一般的に使用されている瓦です。
下端が真直ぐ(一文字)になっている形状の瓦で、合端という作業(連続する瓦の正面垂れの部分を隙間なく仕上げるため、予め工場ですり合わせる加工)をしておきます。
奥の波形の地瓦は仮置きしていた瓦です。
手前から順に、軒先3列の瓦を施工していきます。
瓦ですが、施工する前に、図面から割付し、工場で加工したものが現場に入ります。
瓦に書かれた数字は、割付順になっています。
たまたま現場に加工前と加工後の一文字瓦があったので、比較してみました。
上が加工前、下が加工後です。
すり合わせる部分の深さや厚みを加工されています。
糸に沿って、水平ラインが出るよう、微調整をしながら施工されています。
深く出た軒に、一文字瓦の水平ラインで美しい屋根周りとなっています。
設計は横内敏人建築設計事務所さまです。
京都市左京区「Y邸新築工事」のブログ記事はこちらをご覧ください。
京都市左京区「Y邸新築工事」~屋根周りの木工事が進んでいます~
京都市左京区「Y邸新築工事」~整地が完了し、地鎮祭が行われました~
京都市左京区「Y邸新築工事」~基礎暖房工事~~
京都市左京区「Y邸新築工事」~上棟しました~
関連コラムはこちらをご参照ください
住まいの屋根と瓦
住まいの屋根素材について
地産地消の瓦
「京都の木の家」「注文住宅」の竹内工務店ブログです。
京都市左京区「マンションリノベーション工事」の現場では左官、タイル、造作家具などの内装工事が進行中です。
今回のリノベーション工事については、既存プランは踏襲せず全く新しいプランニングで設計されていますので、マンション室内については床、壁、天井、間仕切り共全て解体し、まったく新しいプランニングで設計がなされています。
(これまでの工程は記事最後に以前の現場ブログのリンクがありますのでそちらをご覧ください)
特に水周り空間の仕上には、タイル、人造大理石などをが多く取り入れています。
水周り空間の床、壁は大部分がイタリア製の磁器質タイル仕上げになります。
磁器質タイルは吸水率が低く、酸やアルカリなどの薬品に対しても変色や変質がしにくく、耐久性に優れており、水周りに適した素材です。
種類も多いので、空間に合わせて選択することができます。
タイルは使用箇所に合わせて現場でカットして貼っていきます。
こちらは浴室の壁です。
FRP防水を施した上でタイルを貼っていきます。
天然石(トラバーチン)を模したもので、淡い色合いに、
流れ模様が一定方向に入った自然な風合いが感じられるタイルです。
タイル長辺をずらしたレイアウトで、柄、色幅のバランスを見て、施工しています。
こちらはトイレです。
床、壁ともタイル仕上げで、上質な素材を取り入れた高級感のある空間になりそうです。
こちらは洗面所です。
洗面台は造作で、天板は人造大理石です。
洗面台が入る部分の穴あけや、人造大理石の大きさは、加工図面を基にオーダーしたものが現場に入り、施工
となります。
こちらの大きな材料はキッチン壁のシーザーストーンです。
厚みは13mmあり、重量があるので、周辺の壁等を傷つけないように慎重に搬入します。
棚の部分は現場での採寸を基に、工場でくりぬいた状態になっています。
造作キッチンの天板もシザーストーンを使用します。
シザーストーンは天然鉱物を主原料に生成された素材です。
天然素材に近い風合いがあり、色柄のバリエーションも豊富です。
吸水率が低く、傷がつきにくく衝撃に強いなど、耐久性、メンテナンス性にも優れた素材です。
後もう少しで完成です。
設計は堀部安嗣建築設計事務所さんです。
京都市左京区「マンションリノベーション工事」のブログ記事はこちらをご覧ください。
京都市左京区「マンションリノベーション工事」
京都市左京区「マンションリノベーション工事」~木工事が進んでいます~
京都市左京区「マンションリノベーション工事」~左官工事が進んでいます~
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住まいとタイル
マンションリノベーション