京都府が主催する「京の老舗」の表彰を受けました。
「京の老舗」は100年以上にわたり伝統の技術・商法を継承し、
京都府内で営業を継続している企業を対象としています。
京都企業のブランド力の強化と京都の地域経済の活性化を目的に設立されました。
竹内工務店も地元京都の企業として、これからも地産地消で地域産材を有効に活用し、
これからも、長く大切に住める「木の家」づくりに精進してまいります。
「京の老舗」について詳しくはこちらのコラムをご参照ください
京の老舗
「京都の木の家」「注文住宅」の竹内工務店ブログです。
「T邸増改築工事」の現場です。
T邸には、敷地への入口に寄棟造りの門があります。
この門の屋根は檜皮葺きですが、経年劣化で、葺き替えの時期がきていました。
増改築工事と並行して、昨年末から檜皮の葺き替え工事をさせて頂きました。
昭和初期に建築された門ですが、檜皮部分はこれまで何度か葺き替えをされているそうです。
今回は檜皮を全て取り払い、軒先など、木部の傷んだ部分(広小舞・野地板)の取替もしています。
軒先の新しい木材はサワラ材です。
サワラ材は水に強い木材として、桶や浴槽などにも使われています。
今回の工事で使用した檜皮です。
葺き替えに使用する檜皮の状態になるまでにも、職人さんの伝統的な技が生かされています。
ヒノキの外樹皮をはぐ作業から加工まで、檜皮葺きの職人さんが行われています。
こちらの檜皮は地元丹波産です。
隅の部分は葺き足がきれいな曲線になっています。
この曲線は隅に対して斜めになるよう、加工場で檜皮を曲線に加工し、美しいラインを出しています。
軒先の檜皮と、上部で使う檜皮は大きさや形が違うものを使っています。
こちらは上目皮と言われ、檜皮の樹皮の内側が上になるように葺いていきます。
樹皮の内側の方が油分が多く耐水性、耐久性が強いからだそうです。
昔から伝わる伝統の技や素材を生かす知恵は凄いなと感心させられます。
軒先はチョウナで切り揃えます。
その上の銅板は雨仕舞のための水切りです。
隅の部分は横から見ても緩やかな曲線になるよう仕上げられています。
棟の位置が近づくにつれ、最終の棟の仕上がり影響するので、水平になるようにレベルをチェックしながら作業が進められていきます。
約2か月半の工期で、葺き替えが完了しました。
檜皮葺きならではの風合いのある屋根になっています。
「T邸増改築工事」のブログ記事はこちらをご覧ください。
兵庫県宝塚市「T邸増改築工事」~木工事が進んでいます~
構造材(吉野桧)を手刻みで加工中~方形屋根の仮組と構造材の仕口加工~
兵庫県宝塚市「T邸増改築工事」~上棟しました~
兵庫県宝塚市「T邸増改築工事」~銅板の腰葺屋根と吉富瓦~
今回のブログに関連したコラムはこちらをご覧ください。
地産地消と建築材・屋根材
住まいのリノベーションとは、「すでにある建物に改修をすることで価値を高める」ことを意味しています。
たとえば中古で購入したマンションにリノベーションをすると、今の間取りに手を加えて自分好みで暮らしやすい住まいを実現することが可能になります。
マンションリノベーションに興味がある方のために、このコラムでは中古物件を購入してから自分好みにリノベーションをするための必要な事柄を紹介してます。
またマンションリノベーションと一戸建て住宅のリノベーションについて、違いや特徴についても比較紹介しているので、参考にしてください。
ここではマンションリノベーションのメリットとデメリットについて、代表的なものをそれぞれ紹介します。
・ライフスタイルに合わせられる
マンションリノベーションは、実際の暮らしや家族構成にあわせて自由に間取りを考えられるのが大きなメリットです。
たとえば単身世帯と家族世帯では求めるものが異なります。
ワンルームが良い、複数の間取りが必要など家族構成に合わせて間取りを考えてみましょう。
ライフスタイルの変化に合わせてマンションをリノベーションしてみると、より暮らしやすい住まいになることでしょう。
・物件価格を安く抑えられる
中古マンションと中古の一戸建てを比較してみると、中古マンションは安く購入できる機会が多いといえるでしょう。
とくにアクセス良好な人気の物件については、中古マンションは数が多いため、安く購入できるはずです。
物件購入を安く抑えて、その分をリノベーション費用に活用してみると、内装が住まい手の想いどおりの住まいになると思います。
・管理組合の許可が必要
マンションリノベーションをするときには、事前に管理組合の許可が必要です。
管理組合からスムーズな承認を得られるようにするためにも、必要な資料や書類を準備しておきましょう。
又、工事をする場合に時間の制約や共用部分の養生工事なども必要となってきます。
EVの使用を禁じているところもあります。
・住民の合意が必要な場合もある
リノベーションは近隣住民への騒音トラブルなどのクレームが発生しやすくなります。
そのため近年では上下左右にある隣接住居8軒分の同意書が必要な場面も増えてきています。
リノベーションの申請時には、近隣住民の署名や捺印のある同意書が必要になるかもしれないことを知っておきましょう。
・共有部分の改修ができない
マンションリノベーションは、室内の共有部分は好きなデザインにできる反面、廊下などの共有部分についてはリノベーションできないことに注意しましょう。
マンションには共有部分と専有部分があり、個人の所有者がリノベーションできるのは、専有部分に限られています。
室内であっても建物の構造に関係しているような壁や床、柱や点状、玄関ドア、バルコニー、パイプスペースなどはリノベーションできません。
・間取りの自由度は低い
マンションリノベーションは、マンションの規則や構造によっては間取りを自由に変更できない場合があります。
とくに室内にコンクリートの柱や壁があるときには、移動することはできません。
床下の配管スペースが設けられていないようなマンションの場合は、水回りの移動も難しくなります。
リノベーションを開始する前に、マンションのリノベーション規則を再度確認してください。
マンションと一戸建てには、それぞれ違った特徴があります。
ここではマンションリノベーションと戸建て住宅のリノベーションについての代表的な違いを紹介します。
・自由度が違う
戸建て住宅のリノベーションはとにかく自由度の高さが魅力です。
法律に影響しない範囲で自由にリノベーションができます。
増築や減築、玄関や窓を大きくする、場所を変えるなど、屋根や外壁、お庭などもまるごとリノベーションできるのが特徴です。
マンションリノベーションは戸建て住宅に比べると制約があるため、自由度は低くなります。
共有部分の玄関や窓、バルコニー、外の廊下などは、ほとんどの場合リノベーションできません。
またマンションには共有部分にPSがありその中には集中配管がされており、その部分についても工事はできません。
・技術的な難易度が違う
戸建て住宅のリノベーションは、柱や梁、基礎部分まで工事する必要があります。
たとえば耐震補強工事が必要になったときには、各種計算式を用いて耐震基準にあわせた設計が必要です。
そのため知識や計算、これまでに蓄積された経験などの総合的に高い技術力が求められるのです。
マンションリノベーションは柱や梁、基礎部分といった基礎部分は共有部となっているため、リノベーションでは工事できません。
そのため戸建て住宅のリノベーションに比べて求められる技術的な難易度が低くなります。
マンションリノベーションではさまざまな工事が必要です。
以下ではマンションリノベーションに使われる代表的な工事について紹介します。
・内装木質化
内装を木質化にするための工事です。
たとえばリビングの床を無垢材の床材に張り替える、一般的にLDKの天井、壁などの無垢材特に杉材等を使うことが多いです。
又洗面室なども無垢材を使うことで、全体的な木質化が図れます。
もちろんその場合に窓枠や入口枠などの造作材も無垢材を使用します。
内装木質化工事は、木の雰囲気を身近に感じられるため、まるで自分が自然の中にいるようなリラックス効果が期待できます。
また木がもつ自然な吸湿・放湿化作用や、自然な芳香さ成分が含まれていることにより、シックハウス症候群の解消にも役立つことでしょう。
さらには年を重ねた年輪により重厚感や高級感を覚えるような仕上がりも期待でき、木材の経年変化も楽しめます。
・家具工事
室内にある家具を交換・新調するための工事です。
たとえばキッチンの流し台や棚、カウンターなどの取り換えや、新しい収納スペースの新設、寝室やベッド、タンスなどの交換などが含まれます。
マンションリノベーションで家具工事をすると、リノベーション後の間取りに合わせた効率的な導線の確保や、イメージしていた生活シーンにあわせた家具の配置が可能になり
結果全体的なシンプルな統一された空間が生まれます。
・設備工事
設備工事は、生活水準を高めて過ごしやすい空間にするために必要な工事です。
設備工事にはいくつかの種類があります。
たとえば電気設備工事や防災設備工事です。
電気設備工事では、照明やコンセントの設置をする、オール電化にするなどの電気が関係した設備の工事をします。
また防災設備工事はスプリンクラーの設置や、避難はしごなどの災害から住民を守るために必要な工事です。
設備工事は新設工事に含まれるため、管理組合の許可が必要な場合もあります。
事前にマンションの規約を確認しておきましょう。
マンションの場合は一戸建てとは異なり、駅に近いアクセス良好な住居が多く住民のニーズに合わせて選びやすい建物です。
マンションの中古物件は購入時の負担を抑えられるため、価格的にも選びやすい物件といえるでしょう。
中古マンションを購入後は、ぜひ今回紹介したようなマンションリノベーションを試してみてください。
マンションリノベーションにより、住まいの環境を整えやすくなり、ライフスタイルの変化にも対応しやすくなります。
近年では新築マンションの供給数は、販売価格の高騰により減少傾向にあります。
中古マンションを活用したマンションリノベーションのニーズは今後さらに増えていくことでしょう。
住民一人ひとりの希望に合わせた多様性のある住まいを探しているときには、マンションリノベーションを活用して、想いの住まいを創りましょう。
「京都の木の家」「注文住宅」の竹内工務店ブログです。
近くの神社から宮司さんをお招きし、住まい手さま、設計の吉武さま、竹内工務店のスタッフで、
工事の安全と建物や家の繁栄をお祈りしました。
こちらは儀式の中の鍬入れの様子です。
盛り砂を均されていない土地に見立てて、
設計者がその土地で初めて草を刈る「刈初(かりぞめ)」、お施主さまは初めて土をおこす「穿初(うがちぞめ)」
1月でしたが、この日は幸い、それぼど気温も低くなく、過ごしやすい環境の中で無事地鎮祭が行われました。
K様この度はおめでとうございます。
敷地は閑静な住宅地にあり、延べ坪24坪ほどのコンパクトな計画です。
前面道路がある北側と、庭に面した南側とで、外観の印象に違いがあります。
切妻平入の屋根で、写真の北側道路に面した屋根は矩勾配(かねこうばい、45度の勾配屋根)になります。
同じく北側に玄関がありますが、建物正面には、プライバシーに配慮した高さのある塀が設けられます。
いぶし和瓦と吹付塗装の外壁の外観ですが、屋根形状と塀の組み合わせが印象的な意匠となりそうです。
大きな屋根面になりますので、屋根はムクリ屋根で仕上げます。
夏ごろの竣工に向け、これから始まる工事、気を引き締めて取り組んでまいります。
設計は吉武聖建築設計事務所さまです。
今回のブログに関連したコラムはこちらをご覧ください。
住宅の祭事
小さくて上質な家で豊かな暮らしを育む家
「京都の木の家」「注文住宅」の竹内工務店ブログです。
京都市上京区で「UCHU wagashi」さんの店舗改修工事をしています。
内部をスケルトンにした状態から、木工事が随分と進みました。
木工事は耐力壁の追加や、金物で構造を補強するなどしています。
こちらは12ミリの構造用合板を柱間に追加した部分です。
上下にあきを作ることで、伝統工法の建物に添った耐力壁として、京町家や古民家の改修などで見られる方法です。
こちらは柱間に梁を追加した部分です。
梁に3つの小さな穴が見えますが、中には金属プレート状の梁受け金物が入っています。
この金物を使って、既存の柱の欠損を極力少なくして、新しい梁を増設しています。
床下地は、既存の梁に届く長いビスを使い、下地と梁を連結させています。
補強部分は仕上げがされると見えなくなりますが、一か所づつ、既存の建物の状態を見ながら、補強をしています。
京町家ですが、全体的に少し傾きがありましたので、水平垂直の微調整は下地部分で行っています。
今回は店舗の改修ですが、お客さま、スタッフの皆さんが快適に仕事をしていただけるように壁、天井には断熱材を充填しています。
そして現在は内部にボードが貼られた状態になっております。
こちらは主にスタッフの皆さんが使われる2階部分。
内装仕上げは壁、天井ともに紙クロス貼りになります。
1階の店舗部分、天井は厚み12mmの桧板貼りです。
壁は珪藻土仕上げになります。
京都市上京区「UCHU wagashi店舗改装工事」のブログ記事はこちらをご覧ください。
京都市上京区「UCHU wagashi」~店舗改装工事が始まりました~
今回のブログに関連したコラムはこちらをご覧ください。
日本の樹・桧
京町家と耐震工事