住まいの中の家具は置き家具と造付家具とがあります
建築に付随する家具は、この場合造付家具となりますが、古くは水屋箪笥、階段箪笥等がありました。
現在では昭和レトロと評されることもあります。
水屋箪笥とは「食器棚」のことです。
和風の食器棚「水屋箪笥」は上質な和モダン・アンティーク家具として京都でも親しまれています。
急須や茶碗など和食器が似合うため、台所ではなく、茶の間などの置かれていることが多いものです。
「階段箪笥」は京町家に根付いた和の家具の代表格です。
文字通り、階段として使っている収納できる箪笥のことですが、現代で言うと階段下収納のようなものです。
現在の家づくりにも階段箪笥を加えることで、和の家としての新しい味わいを感じることができます。
木の家の家具は、既成品の家具は似合わない
木の家に合う家具を選ぶならどのようなものが良いのでしょうか。
現在、大型ディスカウント家具屋が地域にいくつかあったり、輸入家具屋なんかもあると思います。
そういったところで販売されている家具はどれも手頃な価格で購入することができるため、高い人気を誇っています。
しかし、素材や質感が木の家の家具として選ぶには少々合わないような気がしてなりません。
既製品の家具は、確かに安くて便利かもしれませんが、せっかくの木の家には合わない気がします。
本物の木でなく、木で作られたように仕上げた家具はどうしても安っぽくなってしまいがちです。
木の家の家具として好ましいのは、やはり木の素材を生かしたものではないかと思います。
英国や北欧の古びた年代物の家具が、木の家や京町家の家具として案外ぴったりと合うことも一例ですね。
木の家と造付家具 木の素材をいかす家具
木の素材をいかす家具が「造付家具」です。
造付家具は主に大工工事で造られるもので、空間や目的に合わせて造られているため、
隙間なく作る事ができる「特注品」であり、家具の素材を建具と合わせたりと建物と家具が一体となった木の家としてふさわしいものになります。
無駄な空間を作ることなく又、素材を統一する等意匠的にも合わせる事ができ、簡素でありながら統一感を得ることができます。
キッチンや洗面台、それぞれの部屋の家具にいたるまで、木の素材を生かした造付家具にすることで、木の家らしい
風格のある家が完成します。
家の内装に合わせて、無垢材を使った家具にすれば、経年変化を楽しみながら長年大切に使うことができるでしょう。
木の家と造付家具 コストパフォーマンスの良い大工制作家具
木の家の造付家具は大工によって造られています。(家具職人が作る場合もありますが)
大工が作り上げる家具は、どれも木の家の内装等と素材や納まりを合わす事ができ建物と一体感があるため、人気が高まっています。
大工工事として家具を造る場合には大柄な材料を使うことが特徴で少し野暮ったいと言われる事もありますが、コストパフォーマンスには優れています。
住む人が使いやすいように造られた家具は、木のぬくもりが心地良いものです。
例えば、テーブル。
リビングに畳コーナーを作るとします。
高さの変更ができるテーブルを造ってもらえば、テーブルとしても座卓としても使用できますし、片側を畳コーナーにかけて使うことも可能です。
そのようなテーブルは市販のものではなかなか販売されていません。
コストパフォーマンスに優れているだけでなく、利便性にも対応できる大工制作家具は木の家に最も適した家具です。