(住まいにおける)外部建具の変遷
日本においてサッシと呼ばれるものは木製が主流でした。
木造住宅に木製窓は、当たり前の形であり、それ以上の素材のものはありませんでした。
しかし強度・水密性・気密性などの面で高性能なものが求められるようになり、町の建具屋さんで作られる木製窓は、現代の住宅にはあまり目にしなくなってしまいました。
昭和35年ごろになると、さまざまなメーカーがアルミサッシを製造するようになり、昭和39年から40年になると住宅用サッシの普及が始まりました。
40年代半ばにはほぼ住宅の中で工業製品としていち早く窓にアルミサッシが採用される事になってきました
アルミサッシは、木製窓サッシよりも機能性(一部)に優れていること、一般的に近代的なものがもてはやされる時代背景もあり多く使われることなりました。
現在もアルミサッシは住まいにおいて当たり前に取付けられています。
これまでに無かったおしゃれなデザインも増えており、洋風、和風、どちらにもマッチしたものが揃っています。
ただ、まだ残されている古民家や京町家には現在も木製サッシが使われています。
手直しをしながら使い続ける、昔ながらの木製サッシはどちらかと言うと「古いもの」ではなく、「どこか新しいもの」と感じられるのではないでしょうか。
窓サッシの形状(木、金属問わず)引戸、はめ殺し、開き戸(片,両)滑出し等
窓やサッシは、間取りに合った使い勝手の良いものを選ぶのが一般的です。
現在は素材やデザイン、性能を高めた豊富な商品が揃っているので、用途や機能そして空間に適したものを選ぶことが可能です。
ただ、サッシにはさまざまな種類があるので、実際に選ぶとなるとどれを選んで良いか迷ってしまいます。
そこで、ここではサッシの形状など種類を紹介したいと思います。
- 引戸
横に引いて開閉するのが引戸です。
左右どちらからも開けられるもの、中心から左右に開けるもの、一方だけのものと主に3種類あります。 - 滑り出し
左右の溝に沿って動くものと上下の溝に沿って横に 滑り出すものの主に2種類あります。 - 開き戸
蝶番や軸金物などによって回転して開閉する戸で、片開きと両開きがあります。 - はめ殺し
FIX窓」とも呼ばれる、一般的に開閉することができないサッシのことです。
採光を目的に、玄関のドア枠や階段ホールの天井窓などに設けられることが多いものです。
サッシには他にも幾つか種類がありますが、上記で紹介したものが代表的なものです。
住まいに使用されるサッシは、選び方によってお部屋の雰囲気に違いが出ますので、慎重に選ぶことが大切です。
(外部建具のいろいろ)木製サッシ、アルミサッシ、スチールサッシ等
外部建具の素材は主に以下のようなものがあります。
- 木製サッシ
昭和初期頃からあったのが木製サッシです。
アルミサッシの登場により影を潜めていましたが、最近またその良さが見直され、新しい機能性に優れた製品が誕生しています。
ペアガラスをはめ込み防火の対応した木製サッシも増えてきています。
木製サッシは、地産地消でエネルギーをあまり使わずに制作できるのと、その木製の質感が大変良く特に欧州の住宅では数多く使われています。 - アルミサッシ
現在建物のサッシとして主流となっているのがアルミサッシです。
耐候性、防火性に優れており、軽量のため開閉がとても楽です。
但しアルミの型を作るのに大変なエネルギーを使っています。 - スチールサッシ
スチールサッシは住宅ではなく工場などの窓に採用されていました。
耐火性に優れているのですが、耐候性が悪いことから徐々に少なくなってきてしまいました。 - 樹脂製サッシ
熱伝導が低く断熱性が高い特徴を持っているのが樹脂製サッシです。
複層ガラスを使用した一体構造を取ることで高い断熱性を発揮することが可能です。
そのため、最近では北海道など寒冷地の窓に採用されています。 - 複合サッシ
「アルミ+木」「アルミ+樹脂」のように、2つの素材を組み合わせているのが複合サッシです。
外側には耐久性に優れた素材、室内には温もりを感じられる木製素材というように組み合わせるのが一般的です。
現在求められる性能
現在住まいに求められているサッシや建具は、利便性、断熱性、耐久性、防火性そして美観に優れているものです。
地球温暖化などの影響により、昔よりも夏は暑く、冬は寒いといった異常気象となっています。
そのことから、より性能に優れたものが求められているのです。
しかし、性能だけでなく、やはり美観や触観も大切です。
例えば、スペーサーと呼ばれる金属部材で、2枚のガラスの間に中空層を持たせたガラス「複層ガラス」を入れた建具は、
熱が最も移動しやすい「窓」の断熱性能を高め、冷暖房効果の低下や、結露の発生など、熱の移動によって、住まいの快適さを損なう様々な問題を解決に導いています。
このように性能に優れたサッシや建具を採用することで、エコロジーでより快適な住まいになるでしょう。