皆様は、「木楽の家」という文字を目にされたことや、お聞きになったことはありますでしょうか。
「木楽の家」という名称は、木を楽しむ、気楽に過ごせる住まい等を意図してネーミングをしました。
森林国の日本では、従来より住宅の多くが木造で作られています。
住む人が住宅の中に求めるものが、木材の持つ素材の中により多く存在しているからにほかなりません。
木楽の家とは
木を楽しむ家としてネーミングされた「木楽の家」は、木の魅力をもっと抽出したい、そしてそのような木の使い方をしたいという想いでも名付けました。
木材はエコロジーであり、環境負荷が少ない温かみのある素材であり、気持ちを和らげる素材であり、五感に触れる素材であり、また、五感を養う素材でもあります。
住まいの中の木材が、数多くの魅力を持つ素材であり、その使い方により良くも悪しくも住宅の価値を左右するものだと思います。
それらをうまく活かしたいと思い、先人、先輩たちの形を今に伝えて、使うことを心がけています。
自然を感じさせる丸みや未加工の素材は、できるだけ手をかけず自然の形のまま使う、丸太のまま使う、耳付の材を使う、自然が持っている魅力を損なわずに造る、また、身近にあるものを活かし、素材の違いを活かす、古いものも大事に使い、使いまわしをする。
それらが「木楽の家」です。
地産地消と経済
私たちの家づくりでは、地産地消の精神を大切にしています。
地元で産する材が適材適所で使われること、経験豊かな顔の見える職人が手仕事で作る木の家は、建物の寿命を保つためにも重要です。
特に地元に産した素材、地域風土に根ざした素材であれば、素材本来が持つ多くの特徴を生かすこともできるでしょう。
地元の山の樹木が伐採され、木材市場で販売され、そして製材されて、職人の手を経て住まい手のもとへと渡ります。
川上から川下まで一貫して地域で廻る材は、経済も地域を潤します。
そしてそれらが、健全な山の形成を再構築すると考えております。
景観と街並み
地域で育った素材が、地域風土に合ったものであるのは古い住まいを見ればわかります。
また、そのような住まいが無理のないものであり、町並みを形作っているもののベースとなっています。
庭に植えられる樹木も、地域の植生で多くあるものが使われています。
これらが作る町並みや景観は、統一された素材や形、色使いなどがあり、地域の持つ特徴となります。
これからの木の家
良い物を長く使うという日本古来の文化は、これからの時代にも忘れてはならない重要な価値を持ちます。
工業製品は、製品のばらつきが少なく全国どこでも手軽に入手しやすい反面、生産・輸送・廃棄コストがどうしてもかかってしまいます。
安く作れるところで作られる人工的な工業製品は、海外でも数多くの商品が作られています。
いざという時には、間に合わないこともあり、輸送コストもかかり、地域の経済として廻っていません。
エコロジーという点でも、一棟一棟現場で造られる住まいに「地産地消」「地元の職人」は外せません。
もちろんプランニングは、「地域風土」「省エネ」「環境にやさしい」を基軸に設計されたものでなければなりません。
限りある資源を大切に利用してプランされ造られた住宅は、長きにわたってその地域に根ざした建物となっていくでしょう。
自然に寄り添う生活をされたい時には住宅の表面的なデザインだけではなく、厳選した素材の使用や環境への負荷まで含めて考えたような人と自然の両方にとって優しい家造りをしたいものです。
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