「京都の木の家」「注文住宅」の竹内工務店ブログです。
前回に建て方の様子をご紹介させていただきましたT邸です。
現場では木工事が進んでおります。
T邸は防火地域にあり、木造の1時間耐火構造(火熱を1時間加えた場合に倒壊及び延焼を防止するため、主要構造部に耐火被覆をほどこした構造)で設計されています。
木造の耐火建築物は規模の大きな施設や店舗などでの計画が多く、一般住宅では珍しい事例になります。
竹内工務店の事例としては、平成28年に竣工しました木造4階建て耐火構造の京都木材会館があります。
T邸の住まい手さまは「木の家」を建てたい、というご要望をお持ちでした。
防火地域ですで周囲はRC造の建物なども多いですが、T邸は木造の1時間耐火構造で計画をされています。
今回設計をされた吉武聖建築設計事務所の吉武さん、竹内工務店の現場監督は、木造の1時間耐火構造の講習を受講し、終了登録を行った上で工事をしています。
木造の1時間耐火構造では、主要構造部は全て不燃材で被覆するなど、通常の木造の工事とは異なる部分が多くあります。
使用箇所に合わせ現場内でプラスターボードをカットし、外部に運んでいきます。
このプラスターボード、大工さんは軽々と運んでいるように見えますが、大きいものは結構な重量があります。
木造の外壁部分を被覆するため、足場を使って、建物の奥の方までボードを運んでいきます。
厚みのあるプラスターボードで被覆するため、通常より壁に厚みが出ます。
プラスターボードの分、建物に重さもかかります。
そういった重みも考慮し、構造計算をし耐力壁の倍率などにも反映されています。
建物内部も、主要構造部は不燃材で被覆されるため、その厚みも考慮し、
廊下など、人の動線に影響が大きい部分は寸法を広く確保したい部分は、メーターモジュールを採用しています。
一見すると、柱の間隔が同じように見える部分ですが、
こちらは主要構造部である柱を被覆するため、柱を基礎の上に建て、その後に土台を敷いています。
屋根の板金工事も同時に進んでいます。
こちらは平入の水平ラインに合わせて、ガルバリウム鋼板を横貼りにしています。
実は唐草の部分にも耐火構造の部材が使われています。
熱を感じると、通気部分が閉じ、熱が屋根の通気部分に回らないような構造になっています。
屋根周りの鼻隠し、破風は耐火被覆をした上に無垢杉材を使用しています。
軒天にはプラスターボードが貼られていますが、これから杉材が貼られ、木が見える仕上がりになります。
3階建ての大きなお住まいですが、正面からみるとまるで平屋のようにも見えます。
屋根周りに木が見えてくるので、軽やかで上品な木の質感が感じられます。
「京都府T邸新築工事」のブログ記事はこちらをご覧ください。
「京都府T邸新築工事」~RC部分の型枠が外れました~
「京都府T邸新築工事」~RC造躯体の工事が進んでいます~
「京都府T邸新築工事」~RC造部分の鉄筋工事~
「京都府T邸新築工事」~地鎮祭~
関連コラムはこちらをご参照ください
住まいと庭
薪ストーブとペレットストーブ
木造4階建て耐火構造の「京都木材会館」の施工事例はこちらをご参照ください
京都木材会館