「京都の木の家」「注文住宅」の竹内工務店ブログです。
京都市山科区、森に囲まれた古民家「春秋山荘」でリノベーションをしています。
約40年前に、湖北から移築された茅葺民家で、築年数は約150年と伝えられています。
40年の間に様々な使われ方がされてきた「春秋山荘」ですが、ここ数年はあまり使われていない状態が続いていました。
数年前に「春秋山荘-たけのこ山の家」として活用されることになり、少しづつリノベーション工事を進めています。
リノベーション後、コンサート、ワークショップ、ギャラリースペースとして、地域の皆さんの文化交流の場として使われる予定です。
また、周辺の山は、幼稚園、こども園の園児さんが野外遊び場として使われていることもあり、「春秋山荘」は、園児さんの活動拠点にもなります。
広々とした土間は、伝統的な古民家の梁材などが見える空間になっています。
土間を上がるとメインのホールとして使用する板間があります。
この大空間を暖めるため、土間部分に薪ストーブを設置します。
薪ストーブは、真っすぐ上に煙突を伸ばし外に煙を出す場合が多いのですが、
「春秋山荘」は茅葺屋根の建物なので、煙突から煙をそのまま排気すると、煤(すす)や廃棄熱による火災の問題があります。
そこで、今回は薪を燃やした時に出る、煤に水分噴霧し凝固させ、排出する装置を取り付けています。
細い径のパイプはストーブに近い位置に取付ます。こちらはパイプ自体が熱くなり、部屋を暖めるのに一役買いますが、可燃物からの距離は40cm離さないといけません。
太い径のパイプは、断熱材が巻いてあります。こちらは可燃物から12.5cm距離が必要です。
こちらは外部に設置する除去装置です。
この装置の中で煙は冷却され、水蒸気となって排気されます。
ピザ窯などを置いているお店では導入事例が多いそうですが、
薪ストーブでは珍しい工事だそうです。
設置の際は電気工事、給水の工事も必要になります。
薪ストーブ屋さんの試行錯誤の末、煙除去装置の組み立てが完了しました。
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薪ストーブとペレットストーブ
山の木と副産物