「京都の木の家」「注文住宅」の竹内工務店ブログです。
京都市上京区で「M邸京町家リノベーション」の工事をしています。
今回のリノベーション工事で、古くなった設備の入替、和室中心の間取りから洋間への変更、内装のやり替え、傷んだ部分の修繕、断熱改修などを行います。
まず内部を解体し、スケルトンにした状態からスタートです。
解体前と、解体後では雰囲気が一変します。
もとの京町家と、解体後の京町家の様子をご紹介します。
今回のリノベーションでは、そのままの状態で残す空間や、既存の建具、天井、など一部を再利用する箇所が多くあります。
解体工事前には、解体屋さん、大工さん、監督さんとで、現場で一か所づつ打合せを行いました。
【露地・外観】
近隣に京町家が立ち並ぶ地域で、M邸は露地の奥にある京町家です。
外観は屋根、外壁など、傷んだ部分の補修は行いますが、基本的にはそのままのカタチで残します。
【玄関】
洗い出しの土間、扉のデザインが特徴的な下駄箱など、玄関は既存のまま残します。
【庭】
京町家の東側、西側に、2つの庭があります。
庭は残しますが、造園屋さんと相談しながら、庭のデザインを少し変える予定です。
【解体前 1階和室1】
1階和室は既存の意匠をほぼ残した形で改修をします。
床下に防湿コンクリートを打設するために、床組みを解体します。
【解体後 1階和室1】
敷居や鴨井、天井、床の間を残して解体をしています。
土の土間には防湿コンクリートを打設します。
床下には断熱材を充填し、畳は入替ます。
【キッチン 水周り空間 解体前】
キッチンと、その奥にある洗面室、和式トイレ、小便器などは、新しい住宅設備に入れ替えをします。
洗面室はレイアウトを替え、使い勝手の良い動線にします。
【キッチン 水周り空間 解体後】
床、壁、天井と全て解体しています。
設備の入替とレイアウト変更に伴い、排水もやり替えます。
防湿コンクリートを打設する前に、地面を掘り、配管の工事を行います。
【1階和室2 解体前】
6.6帖と7.2帖の和室です。
こちらは2間つづきの和室を14.6帖の洋間へと改修します。
【1階和室2 解体後】
船底天井や、奥の押入れなどは既存のまま残しています。
【階段室 解体前】
既存の階段を使用しますが、壁は一度解体し、やり替えます。
【階段室 解体後】
階段室の壁を解体すると、胴差や間柱、ラス地など、かなり材料が劣化していました。
解体前に分からなかった不具合はしっかり見つける事も解体中の現場管理ではとても大事です。
こちらは瓦屋根から水漏れしていた可能性もあるので、屋根も点検し、補修する予定です。
壁は大工さんと相談しながら補修を行います。
【2階洋間 解体前】
4.2帖、9.6帖、4.7帖の洋間は、間取りを替え、洗面室、シャワールーム、トレイを併設したベッドルームになります。
容量のあるウォークインクローゼットもつくり、昭和時代の内装も一新します。
【2階洋間 解体後】
床、壁、天井と全て解体しました。
洋室は解体すると以前は和室だった痕跡がうかがえます。
幾度かのリフォームで和室は洋室となり、今回の工事では間取りや意匠だけでなく、温熱環境の改善も行います。壁、天井には可能な限り断熱材を充填、窓にはインナーサッシを取り付けます。
【2階納戸 解体前】
2階の納戸は8.4帖の広さがあります。
【2階納戸 解体後】
床、天井を解体しています。
手前にウォークインクローゼット、奥に洗面、シャワールーム、トイレをつくります。
【2階和室 解体前】
2階の和室は既存のまま残します。
【2階和室 解体後】
和室横の廊下は床の張り替えを行うので解体しています。
防湿コンクリート打設後に木工事が始まります。
リノベーション工事でどういった空間に変化するのか、楽しみな現場です。
設計監理は空間工房用舎行蔵一級建築士事務所さんです。
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