「京都の木の家」「注文住宅」の竹内工務店ブログです。
現在木工事中の「T邸増改築工事」では、構造材に全て天然乾燥の吉野桧を使用しています。
吉野桧は強く耐久性があり、節がなく、真っすぐ詰まった美しい木目が特徴です。
世界最古の木造建築・法隆寺にも、吉野の桧が使われているといわれています。
倉庫にて、吉野桧の構造材を墨付け手刻みで加工中で、複雑な方形屋根の部分は仮組をしています。
方形屋根は正方形の建物によくみられる、寄棟屋根の一種ですが、屋根の頂上にある大棟がありません。
隅棟の線がすべて屋根の頂上に集まる形式で、一般の住宅では珍しく、寺院などに多く使われているの屋根です。
T邸の構造材は機械での加工は難しく、手刻みで仕口の加工をしています。
桁は成が360mmの大きな材料です。
桁には火打ちを組むので、中心にも仕口の加工をしています。
渡り腮構法(わたりあごこうほう)で桁と桁を大きく垂直に、またぐようにして組んでいきます。
桁の部分は約4.4m四方の正方形になっています。
この段階では金物はほぼ使っていません。
複雑な木組みは仮組をしながらの方が、細かな部分まで確認ができますし、
9寸角(約27cm角)の桧材。
こちらは屋根の頂点の束になります。
この束は梁の上にのらずに空中に浮いた状態で四方に隅木が伸びていきます。
かぼちゃに似ているので「南瓜束(かぼちゃづか)」と呼ばれています。
屋根の他、土台、柱も全て手刻みです。
1本づつ墨付けをし、仕口の加工をしています。
仕口の加工は、使用する場所により、様々な加工がされています。
こちらは土台の仕口です。
6寸の化粧柱と組む部分です。
よく見ると、斜めに加工してあるのが分かります。
こちらは加工前ですが、6寸の化粧柱です。
先ほどの土台に合わせて仕口加工をするため、細かな墨付けがされています。
段が付いた仕口など、木を組んだ時に、しっかりと組めるように、大工さんが工夫をしてくださっています。
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