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兵庫県宝塚市「T邸増改築工事」~上棟しました~

「京都の木の家」「注文住宅」の竹内工務店ブログです。

「T邸増改築工事」の現場です。
こちらの現場では、構造材に全て天然乾燥の吉野桧を使用しています。
墨付け、手刻みでの加工、複雑な方形屋根の部分は倉庫で仮組をし、梅雨明けを待ち7月下旬に建て方を行いました。

建て方の際はクレーンなどを使うことが多いのですが、
T邸は、敷地の入口に門があり、クレーンが入ることができません。
加工した構造材は全て人力で搬入をしました。
こちらの門も、檜皮葺きの屋根部分を吹き替える予定になっています。

建て方の際、それぞれの位置に材料を運ぶ作業も全て手作業で行っています。
桁は成が360mmの大きな材料です。
かなりの重量がありますので、数メートル運ぶだけでも大変な作業になります。

今回は柱間に耐力面材としてJパネルが落とし込まれる構造になっています。
Jパネルは、国産杉の原木をカットし貼り合わせた厚み36mmの三層パネルで、
断熱性、調湿性、遮音性に優れた素材です。
耐力面材は、構造用合板やボードなど様々な建材がありますが、T邸では、なるべく自然素材を取り入れたいという理由もありJパネルを耐力面材に使用しています。
こちらのJパネルの加工も大工さんがされていますので、どの部分で使うのか、分かるようにしてあります。

36mm厚のJパネルが落とし込めるよう、柱に溝の加工がしてあります。
溝に沿って柱間にJパネルを落とし込んでいきます。
Jパネルの耐力壁の特徴は、面材の堅い強さと、落し込み壁板の粘り強さがあることです。
柱間にJパネルが入りますので、場所によって組む順番を考えながら、一か所づつ進めていきます。

大きな桁を手で持ち上げるのは難しいので、クレーンの代わりに、チェーンブロック(鎖と滑車やテコの原理を利用して重量物の吊り上げを行う装置)を使って柱の上までゆっくりと慎重に吊り上げました。
1か所つづ吊り上げ、4本の大きな桁を組んでいきます。
仕口の部分は細かな手仕事の様子がうかがえます。
桁と桁を大きく垂直に、渡り腮構法(わたりあごこうほう)で組んでいきます。

四方の柱、壁、桁が組めました。
4.4mの正方形の空間です。
ここに火打ちを入れていきます。
火打ちの部分は、現しになります。

正方形の増築部分ですが、屋根は方形屋根です。
南瓜束(かぼちゃづか)を中心に4本の隅木を組んでいます。
今回は全て手作業でしたが、2日間で無事上棟することが出来ました。
T様この度は誠におめでとうございます。

「T邸増改築工事」のブログ記事はこちらをご覧ください。
構造材(吉野桧)を手刻みで加工中~方形屋根の仮組と構造材の仕口加工~

今回のブログに関連したコラムはこちらをご覧ください。
プレカットと大工手刻み(大工墨付加工)

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