「京都の木の家」「注文住宅」の竹内工務店ブログです。
京都市右京区「シン京町家」は高気密、高断熱の家で、性能表示等級7のZEH住宅、HEAT20の指標はG2.5です。
前回のブログでは、柱梁間の断熱材に加え、建物の外周を包み込む付加断熱についてご紹介をしました。
今回は高気密、高断熱のお住まいの「気密性」と「気密測定」に関してです。
前回ご紹介した断熱材で建物内は外部から熱の影響を受けにくくなっています。
この断熱性と併せて、気密性を高くすることで、建物のスキマから外気が建物内に入り込む、または建物内の空気が外に出ていくのを防ぎます。
スキマが少ないので冷暖房などのエネルギーロスが少くなり、計画的に換気を行うことができ、建物内の温度と湿度を快適な状態に保つことが出来ます。
1年を通して建物内で快適な温熱環境で過ごせるよう、現場では気密性に配慮し、外壁、屋根の工事を進めてきました。
そして気密層が完成し、断熱材の充填も完了しました。
これから内部造作がされ、完成へと近づいていきます。
今の段階で気密性が十分に確保されているか確認するため、中間気密測定を行いました。
このタイミングで気密測定を行う理由は、スキマがあった場合、場所の特定がしやすく、手直しができるからです。
今回はお施主さまにも立ち会っていただき、現状をご確認いただきました。
測定前に、準備として、こまかな穴を全て塞ぎます。
こちらの廊下には、中庭に面して造作で作る木製枠とFIXガラスが入る予定です。
測定の段階ではまだガラス等が入っていないので、この部分は養生パネルで仮に閉じていきます。
今回測定器はこちらに設置しました。
測定器の周りも隙間ができないようにしっかりと養生パネルとテープで塞ぎます。
今回測定は、シン京町家の設計監理をしてくださっているトヨダヤスシ建築設計の豊田所長です。
豊田所長は気密測定技能者の資格もお持ちで、自社で設計された建物以外にも様々な住宅で気密測定をされています。
ここまで準備ができたらいよいよ測定開始です。
今回目標のC値は0.5です。
C値は、住宅における相当隙間面積のことで、建物の気密性能の指標として用いられています。
シン京町家でC値0.5ですと、ハガキ半分弱の大きさに相当します。
この測定器の管から、建物内の空気を外にはきだし、圧力をかけていきます。
初回の測定でC値0.5という結果がでました!!
この日まで、気密性がしっかりとれるよう、細部に気配りをしながら施工をされてきた大工さんや現場監督も
目標としていた数値が出てほっとされていました。
さて、建物に圧力がかかった状態で、スキマの位置を特定していきます。
建物内の空気が抜かれた状態なので、スキマがある部分は、手を当てると空気の流れを感じることができます。
こちらは玄関ドアの上部です。
建物の中でスキマができやすい部分を中心に、煙を使って場所を調べます。
建具やサッシ、土台周辺、桁周辺を順番に、回っていきます。
先ほど手を当てて、空気の流れを確認した部分は、外で煙をたくと、内部に煙が入ってくるのが分かります。
サッシ周辺はサッシ枠とサッシの間から少し煙が入ってきました。
「この辺り」と場所を確認します。
こんな感じで隙間があると煙が入ってくるのが確認できます。
煙を確認した部分は、コーキングやウレタンフォーム、気密テープ等を使って、スキマを塞いでいきます。
気になる場所は、スキマを塞いだ後に、再度煙を使って確認します。
スキマを塞いで、2回目の測定を行いました。
1回目の測定時、74㎠だった相当隙間面積が、2回目は43㎠に減少しC値は0.3です。
コツコツとスキマを塞いだ結果が数値に現れています。
今回は3回測定を行い、C値は平均0.4と、目標のC値0.5よりも高い数値となりました。
竣工時にも再度、気密測定を行います。
以前のブログはこちらをご覧下さい。
京都市右京区「シン京町家」外壁、屋根の付加断熱工事
京都市右京区「シン京町家」上棟しました
京都市右京区「シン京町家」手刻み
京都市右京区「シン京町家」基礎工事
京都市右京区 「シン京町家」 地鎮際
今回にブログに関連したコラムはこちらをご覧ください。
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