住まいに職人の手仕事を
日本の職人はどんな材料でも場所を選んで使うことができ、余った材料にも別の命を吹き込むことができます。素材のもっているものを活かしきる職人の心と技は、日本の貴重な伝統です。 それらの職人の手仕事の跡を住まいに残したいです。
素材を選び、使う(本物、無垢の材料を選ぶ、漆喰壁へのこだわり)
出格子、簾、京唐紙、漆、京建具、京壁(聚落壁)、一文字瓦等々、住まいの中の「京」のエッセンスです。 京都の文化と建築の中に見つけられます。 又、建築の中にも「使い廻し」という文化があります。 木材や建具や畳をよその所に使い廻すー京都人のほんまもんの素材を選ぶ目利きと知恵(合理的精神)を現在にいかしたいです。
地元産の材を選ぶ・木の素材を活かす
ある時期から輸入材にたよる住宅建設が多くなってきました。が、できれば国産材を使った家づくりをしたいですね。もう少しこだわれば、地元の杉や桧材を使った家を建てたいですね。構造材はもちろんの事、造作材や造付けの家具材も無垢の素材で。「京の木でいえを建てる」エコロジーで合理的な住まいづくりです。
北山丸太を使う
北山杉は、「京の木・北山杉」というだけでなく、京都に住む私たちにとって大変なじみのある木です。手を入れて育てあげた杉の林は、北山の風情にもなっています。私たちは、京の文化や風土にとけ込むこの美しくて強い木を住まいにいかします。
古いものが持つ価値をいかす
何代にもわたって使われた家具と同様に、住まいは世代を超えて使われつづける事が望まれます。そのような生活ができる事が、真の豊かさであります。古いものが大事にされ、古さが新しい価値をもつ。「住まう人が時を経ても、子や孫に住み継げる家づくり」を目指しています。
町並みにとけこむ建築
町並みにとけこむ建物は、長年にわたって造り続けられてきた理由があります。深い軒の出を持つ屋根、平入の軒の続く屋根、外観の意匠や壁の色、屋根の色、中庭や坪庭。それぞれが意味を持っています。「町並みにとけこんだ建物」が、最良のほめ言葉です。