アンティークとは
まずアンティーク(An-tique)とは古美術や骨董品、古いものを指す言葉です。
唯一の物という語源からきています。
似たような意味合いの言葉にヴィンテージ、レトロというのもあります。
一般的にアンティークは、100年以上の歳月を経たものをさします。
単に古いというだけでなく木を手掘りして模様をつけたり、一筆一筆絵付けをおこなった手作業で作られるものもあり、美術的で審美性の高いものが多いです。
年代の特定が難しいものが一般的ですが、例えばイギリスのアンティークの一部にはレジストリ―マークと呼ばれるダイヤモンド型の印やナンバーがついています。
つまり王室御用達など身分証明のできるものです。
アンティークは同じ品でも長い年数を経て使用具合が異なるため、風合いが同じものはなく、1点もので稀少性が高いもの
です。
ヴィンテージとは
一方ヴィンテージとはフランス語の「vendange」が語源で、元々はワインが瓶詰された年代を表す言葉でした。
「名品」、「稀少性」といった意味合いも持ちます。
英語でのヴィンテージは「年代」を意味し、主に100年未満のものを指します。
これがアンティークとの違いです。
アンティーク家具の種類
アンティーク家具には現在でも使われている通常の一般家具の役割を持つものから、今では作られていないものまでたくさんあります。
大きく分けて、テーブル・チェア(ソファー)、収納に分類できます。
- テーブル、チェア
- テーブルは食事で使うダイニングテーブルをはじめ、小型のオケージョンテーブル、
コーヒーテーブル、サイドテーブル、コンソールテーブル、ネストテーブルなどがあります。
チェア、ソファーは木製のシンプルなものから、材質や装飾にこだわった艶やかなものがあります。
嗜好性の高いものは鳥の羽をつかったクッション性のある椅子、革張りのソファー、背や脚に彫刻が施されているものなど、芸術性に優れています。
アンティークのテーブル、チェアは一目見てその風合い、荘厳さと美しさに思わず息を呑みます。収納家具はたくさん種類があり、聞き慣れない名前の家具もあります。
いくつかご紹介します。 - チェスト
- 最も古い収納家具で、箱型の引き出しつきの家具を指します。
今でいう整理箪笥のことです。 - ライティングビューロー
- チェストに書き机をつけ加えたものです。
17世紀後半に読み書きできる人が増え、上流階級向けに作られました。 - カップボード
- 16世紀後半に銀器や磁器を飾るために宮廷用家具として作られました。
ドレッサーとも呼ばれています。
現在はディスプレイ用の家具として使われます。 - ガラスキャビネット
- キャビネットは貴重品を飾り、収納する機能を持つ家具です。
ガラスキャビネットの場合、全面・側面がガラス張りになっていて、陶磁器を飾るために使われることが一般的です。 - サイドボード
- ダイニングルームに置かれ、18世紀のイギリスで料理を給仕するために使われていました。
- ブックケース
- 本を収納するための棚です。
ブックケースが登場した当初は個人で本を所有することが少なかったため、図書館に大型のブックケースが備え付けられていました。
17世紀以降は一般向けに小型のブックケースが作られ、ガラス扉つきのオシャレなものもあります。 - ドレッシングテーブル
- ドレッサーとも呼ばれています。テーブルや収納付きのチェストに鏡がついたもので、現在の化粧台(鏡台)の役割をしています。
ヴィクトリア時代に需要が高まりました。 - ワードローブ
- ワードロープもヴィクトリア時代に流行り、帽子やコートをかける用途で家の入口に置かれました。
現在ではリメイクして板を取り付けて靴箱として使われることもあります。
アンティーク家具を住まいに取り入れることで日常的にエレガントな空間を創りだすことができます。
ヨーロッパでは家具を受け継ぐ伝統があり、アンティーク家具はオーク、ウォールナット、マホガニー、パインなどの上質な木で作られています。
住宅の建材で用いる自然素材に通ずるものがあります。
アンティークは少なくとも100年、なかには200年以上経過しているものもあり、残念ながら傷んでしまっているものやジャンク品が存在します。
以下で、買うときにチェックしておくべき項目を挙げます。
- 椅子やテーブルに、がたつきがないか。
- 収納は引き出しをスムーズに開閉できるか。
- 金具や装飾に腐食、傷みがないか。
- ガラス、鏡にヒビはないか。
- 目立った汚れや穴がないか。
購入前に点検をしてもらい、壊れている箇所があってもレストア(修復)できることもあるので、事前に相談すると良いでしょう。
住居とアンティークが一体となって活きる生活空間は、優雅でいつまでも過ごしたくなるものです。
アンティーク家具を決める際は年代やテーマ性を絞る、色を揃える、材質を統一、実用性を重視するなど、それぞれの好みで選んだり、間取りを決めると良いでしょう。
ヨーロッパの美術様式は中世に始まり、ゴシック、バロック、ロココ、ヴィクトリアン、エドワーディアン、アール・ヌーヴォー、アール・デコなどの美術様式があります。
材質も複数種類あり、オーク材はくすんだ褐色で、木肌が荒いのが特徴です。
椅子や机の細い脚や彫刻に適しています。
ウォールナット材は硬く伸び縮みしないので、家具の素材にふさわしく、木目が美しいことで人気です。
マホガニー材は中南米から流入してきました。
赤褐色で重厚感があり、木目が細かく装飾を施しやすいことから高価になる傾向があります。
パイン材は北欧が主な産地で、節目が出やすく比較的近年まで好まれていませんでした。
木質が柔らかいため、カントリースタイルに適しています。
また、こうしたアンティーク家具に合わせて、蚤の市などで見つけたアンティークレース、陶磁器、小物などと合わせるとよりいっそう華やぎます。
時代の流れを感じたり、素材の一体感を見て楽しむなど、満足のいく「アンティーク(一点物)」を是非見つけてみてください。
最終更新日:2020年3月4日投稿日:2018年7月13日