現在の山の現状は
京都は、山を多く持つ林産地です。
京都は西山、北山、東山と三方が山に囲まれた盆地です。
京都の森林率は74%と非常に高く、地形の約1/3が山の林産地となっています。
京の山には杉や桧、赤松などさまざま樹種があります。
ただ、多くが人工林として植林され、建築用材として用いられています。
建築用材として用いられるまでには40年~50年の年月が必要です。
50年以上経過している適齢木(樹齢50~60年)も多く、使われないまま放置されているのが現状です。
伐採と植林について
木を伐採するのは良くないと言われることが多いのですが、それは大きな間違いです。
適齢木を伐採しなければ、二酸化炭素の吸収の低下、保水力の減衰などその結果山や川が荒れて地球環境に悪影響を及ぼします。
適齢木を伐採すること、そして新たに植林をするという循環が行なわれることが、山の本来の正常な状態なのです。
現在京の山に植林されている適齢木を伐採し、新たに植林をしなければ、数十年後には建築用材の木が枯渇してしまいます。
京都では地元で育った樹木を建築用材や間伐材もペレットに使用して使う取り組みをおこなっています。
その取り組みが、京都の山と自然を守ることになります。
植林や枝打ちの意味について
植林とは山に樹木の苗木を植えて林に仕立てることを言います。
枝打ちは樹木の枝を幹から切り落とすことで、保育作業の一つです。
植林や枝打ちをおこなうことで、人々の暮らしを豊かにしています。
若い木は二酸化炭素の吸収量が多いので、山を元気にするとともに、人々の暮らしを豊かにするのです。
二酸化炭素が地球温暖化に及ぼす影響が大きいことは周知だと思います。
若い樹木が二酸化炭素を吸収してくれることで、地球温暖化防止に役立ち、災害をも防いでくれるのです。
山の整備は伐採と植林の循環が必要、我々ができる事は木を使う事
山を健康に保つため、山の整備は欠かすことができません。
山の整備として必要なのは木の伐採と植林の循環です。
50年以上経つ適齢木を伐採し、新たに植林をする、この循環が最も大切です。
ただ単に木を伐採するのではなく、それを本来の目的である建築等の用材として使うことが大切です。
我々ができる事は植林や伐採だけでなく、伐採した木を使うことなのです。
現在、日本で用いられている建築用材の多くが輸入木材です。
こんなにも日本に木々があるにも関わらずわざわざ輸入して使っているのはコストの問題や木材自体の素材の乾燥等が容易であるからです。
反面、日本の気候風土においては、蟻害等の腐食や耐候性については、やはり国産材の方が断然優れています。
国産材、輸入材それぞれ利点など一長一短ありますが、やはり地元の山のあり方や今後の山の状況を考えると
地元の材を使いたいものです。
京都では官民一丸となって地域産材を使うよう取り組んでいます。
これらの意識を持ち少しでも地域産材を使う機会を増やしたいですね。
最終更新日:2020年10月13日投稿日:2017年12月8日